ハットトリックを達成した順天堂大MF新里涼 [写真]=内藤悠史
関東大学1部リーグ第13節(後期開幕節)が6、7日に各地で開催。味の素フィールド西が丘では、6日の第1試合で順天堂大学と中央大学が対戦した。
順天堂大は、前期11試合を7勝3分け1敗で乗り切り、首位・専修大と勝ち点差2の2位につけている。同校史上2度目のリーグ制覇へ向けて、後期でも幸先の良いスタートを切りたいところ。一方の中央大は、1勝2分け8敗と振るわず、勝ち点5で降格圏内の11位に沈んでいる。対照的なシーズンを過ごす両校の対戦は、前期の成績を象徴するかのような結果となった。前後半に2点ずつを決めた順天堂大が、4-0で快勝。1年生MF新里涼(横浜F・マリノスユース出身)がハットトリックを達成して、チームを勝利に導いた。
最初の決定機は中央大が作り出した。18分、FW古橋匡梧(2年・興國高校出身)が左サイドを抜け出し、右足アウトサイドで前方へスルーパス。FW内田祐介(2年・ヴィッセル神戸U-18出身)を経由したボールを、最後はペナルティーエリア内からFW砂川優太郎(4年・サンフレッチェ広島ユース出身)が右足で狙ったが、カバーに入った相手DFに阻まれて先制点とはならなかった。
均衡が破られたのは23分。順天堂大がペナルティーエリア手前、やや右側の位置でFKを得ると、MF新里が右足シュートをゴール右隅へ蹴り込み、先制点を奪った。「左利きのキッカーを置いたら、相手GKがファーサイド側に立ったので。壁の上を越えてニアサイドを狙おうと決めた。狙い通りです」と、新里。まさに会心の一撃だった。さらに39分には、左サイドからのクロスをMF室伏航(1年・市立船橋高校出身)が合わせて2点目を記録。前半は2-0で終了した。
2点リードで迎えた後半立ち上がり、順天堂大は決定的な3点目を奪う。48分、左サイドからの崩しでペナルティーエリア内へ折り返されると、ヒールでの落としから混戦となり、最後はMF新里が左足で押し込んだ。新里は82分にも得点を挙げ、チーム4点目を記録。ここまでのリーグ戦、得点数が2だった1年生MFが、ハットトリックで勝利に貢献した。
試合後、殊勲の新里は「後期初戦ということで、みんながすごく意気込んでいた。それがうまく形になって良かったと思う。ハットトリックは自分にとって、自信になれば良い」と、手応えを掴んでいる様子だった。吉村雅文監督は、「前期に作ってきた土台、守備から攻撃への切り替えの部分をベースにして、もう一段上を目指していけるかどうか。それが大きな目標で、高い位置でボールを奪いながら、シュートやゴールまで持っていくことがコンセプトになっている。今日は初戦としては良い出来だった」と、合格点を与えつつ、「4点も取れるチームではないので、まぐれですね。たまたま、新里がFKを決めたから主導権を握れただけであって、0-0のままこう着した試合であれば、いつ点を取られていてもおかしくなかった。高い位置でボールを意図的に奪えたかといえば、良かったとは言えない」と、快勝後にも課題を挙げて気を引き締めた。同監督は、次戦以降に複数の選手を教育実習で欠くことも明かし、負傷者も多く苦しい台所事情の中で、「緊張感のある中で、他の選手が伸びてくるチャンスになれば良い。誰が出てもしっかり戦えるチームにすることが目標」と、展望を語った。
関東大学1部リーグ第12節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。
順天堂大4-0中央大
国士舘大2-0駒澤大
専修大1-0筑波大
明治大1-0流通経済大
慶應義塾大2-0桐蔭横浜大
早稲田大1-0東京国際大
1位:専修大学(勝ち点29/得失点差+21)
2位:順天堂大学(勝ち点27/得失点差+14)
3位:慶應義塾大学(勝ち点24/得失点差+8)
4位:早稲田大学(勝ち点24/得失点差+7)
5位:明治大学(勝ち点21/得失点差+6)
6位:国士舘大学(勝ち点21/得失点差+3)
7位:駒澤大学(勝ち点16/得失点差-7)
8位:流通経済大学(勝ち点11/得失点差-7)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点10/得失点差-13)
10位:東京国際大学(勝ち点9/得失点差-7)
11位:中央大学(勝ち点5/得失点差-11)
12位:筑波大学(勝ち点5/得失点差-14)
文=内藤悠史