メニコンカップに出場した両チームの選手たち [写真]=森田将義
U-15年代の注目選手が集う「メニコンカップ2014」が15日、愛知県名古屋市の瑞穂公園ラグビー場で行われた。
今大会は8月に行われた日本クラブユース選手権(U-15)およびインターシティカップEAST、WESTの3大会で活躍した34選手が東西分かれて、対戦するもの。これまで19回の歴史の中に阿部勇樹(浦和レッズ)、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)、齋藤学(横浜F・マリノス)など数多くの日本代表選手やJリーガーが出場選手に名を連ねているように、若手の登竜門とも言える大会だ。
試合は開始から互いの持ち味を発揮したせめぎ合いが繰り広げられた。まずは開始5分、FW金亮哉(名古屋U15)、MF仙波大志(広島JY)とテンポ良く中央を繋いで運んだパスをMF滝裕太(清水JY)が落ち着いて決めてWESTが先制する。EASTも負けじと11分、右サイドの高い位置でMF佐藤悠太(横浜FM JY)がパスをカット。前線のMF藤村怜(札幌U-15)に繋ぎ、素早く右のスペースに展開する。このボールに反応したFWシマブク・カズヨシ(浦和JY)がダイレクトで中に繋ぐと、これをFW石津駿斗(鹿島JY)が合わせて同点に追いつく。
以降は、横山貴之監督(清水JY)が「上手い選手は周りを見る事が出来るので、味方を生かしたり、合わせる事が出来る。要求の声も多いので、寄せ集めでも面白いプレーが出来る」と話したように住田将(名古屋U15)、川村拓夢(広島)のダブルボランチを中心に息の合った仕掛けを見せたWEST、MF堀研太(横浜FM JY)ら2列目の仕掛けに高橋隼(千葉U-15)、澤田章吾(横浜FM JY)が絡んだEASTの双方が好機を作る目まぐるしい展開が続く。
35分には滝の右クロスをゴール前のMF高山登伊(JFAアカデミー福島)が決めてWESTが2点目を獲得。36分には後方からのフィードに反応した佐藤悠からのパスをシマブクが決めて再びEASTが同点に追いつくと、40+1分にはDF伊藤駿光(清水JY)が自陣左から大きく右前方に展開。相手のクリアミスがゴール前に落ち、金がシュートする。一度はGKに阻まれたが、しっかり押し込んでWESTがリードした状態で前半を終えた。
多くの選手が代わった後半も互角の戦いが続き、54分にはWESTが左サイドからチャンスを作り、滝からのパスを受けた住田がミドルシュートを狙ったがバーに直撃。64分にはEASTのFW田中雄大(FC多摩JY)がGKをかわしてシュートを狙ったが、寸での所でDF岡野周太(広島JY)がクリアする。
けがで出場が危ぶまれながらも、「自分のプレーを見せたい」と強行出場したWESTのFW明比友宏(広島JY)が鋭い飛び出しを見せるなど、最後まで両者、攻める姿勢を示したが後半はスコアが動かず、3-2でWESTが勝利。「1万人近いお客さんの前で、サッカーをやるなんて中々、出来ない経験。彼らはサッカーの楽しさを知って、より好きになったと思う」と横山監督が振り返ったように選手にとっては有意義な一戦となった。
なお、最優秀選手はWESTの川村、敢闘賞はEASTのシマブク、WESTの金が受賞。川村は「観客が多くて緊張したけど、歓声を聞いているうちに徐々にほぐれていった。満足の行くプレーでは無かったけど、何度か沸かす事が出来たので良かった」と破顔した。
文=森田将義