鮮やかな逆転で後期開幕3連勝を飾った明治大 [写真]=平柳麻衣
関東大学1部リーグ第14節が20日、21日に各地で開催。味の素フィールド西が丘で行われた21日の第1試合では、明治大学と中央大学が対戦した。
7勝3分け3敗で4位につける明治大は前節、王者専修大に完勝し、首位から陥落させた。しかし、他の上位チームも順当に勝ち点を積み重ね、慢心は許されない。一方、2勝2分け9敗で降格圏の11位に沈む中央大は、残留争いのライバルである桐蔭横浜大との前節で後期初勝利を収め、上昇の兆しが見えてきたところ。試合は中央大が先制するも、明治大が前半のうちに逆転し、後期リーグ3連勝を飾った。
圧巻の勝利から一週間。「気が緩みそうな雰囲気もあったが、キャプテン(GK三浦龍輝/4年・FC東京U‐18出身)が締めてくれて、良い準備ができた」とMF差波優人(3年・青森山田高校出身)が振り返ったように、油断はなかったはずだった。しかし、開始早々の3分に試合は動く。中央大は、ショートカウンターから右サイドに流れたMF渡辺大斗(4年・横浜F・マリノスユース出身)がシュート。一度はGKに弾かれるも、FW内田祐介(ヴィッセル神戸U―18)がこぼれ球を詰め、あっさりと先制に成功する。
だが、“早すぎる先制点”が吉と出たのは、明治大の方だった。「点が入っている気がしなかったので、引きずらずにプレーできた」と差波が話すように、明治大が徐々にリズムを掴んでいく。33分、差波のFKをDF山越康平(3年・矢板中央高出身)が打点の高いヘディングで折り返すと、最後はゴール前でDF松藤正伸(4年・FC東京U―18)が押し込み同点に追いついた。続く39分には、流れの中から追加点。MF矢島倫太郎(4年・浦和レッズユース出身)が右サイドの深い位置から折り返した低いクロスに、差波が走り込んで合わせ、鮮やかな逆転劇を演じた。
試合後、明治大の栗田大輔助監督は「内容は厳しいゲームだったが、それを自己解決するのが今年のテーマ。勝てたことだけが良かった」と語った。負けられないプレッシャーが掛かる中、中央大のようにプレスの激しいチームが相手でも、試合中に選手間で修正し結果に結び付けたのは、強さの証と言える。
一方の中央大学にとっては、前期から課題としている「先制点後の試合の運び方」に失敗した。白須真介監督は「先制すると受け身になってしまう。今日のように先制が早すぎると全体が下がってしまい、耐えきれない」と嘆く。だが、敗れた中でも収穫はあった。「選手たちの心理面を改善するのは簡単ではないが、やられてもやりかえすチャンスはあるということを示せたので、まだ立て直せる」と白須監督。残留を争う他校との勝ち点差はまだ詰まっており、今日の敗戦を浮上のきっかけにしたいところだ。
関東大学1部リーグ第14節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。
慶應義塾大2-2筑波大
早稲田大1-0国士舘大
駒澤大3-2東京国際大
明治大2-1中央大
順天堂大3-2流通経済大
専修大0-1桐蔭横浜大
1位:順天堂大学(勝ち点33/得失点差+16)
2位:専修大学(勝ち点29/得失点差+18)
3位:早稲田大学(勝ち点28/得失点差+8)
4位:明治大学(勝ち点27/得失点差+9)
5位:慶應義塾大学(勝ち点25/得失点差+7)
6位:国士舘大学(勝ち点22/得失点差+2)
7位:駒澤大学(勝ち点20/得失点差-6)
8位:流通経済大学(勝ち点14/得失点差-7)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点13/得失点差-13)
10位:東京国際大学(勝ち点10/得失点差-8)
11位:中央大学(勝ち点8/得失点差-11)
12位:筑波大学(勝ち点6/得失点差-15)
文=平柳麻衣