明治大、無傷の後期4連勝で3位浮上…慶應義塾大は6位に後退/関東大学リーグ

山越康平

CKから追加点を奪った明治大DF山越康平はガッツポーズで喜びをあらわにする [写真]=平柳麻衣

 関東大学1部リーグ第15節が9月27日、28日に各地で開催。古河市立古河サッカー場で行われた28日の第2試合では、慶應義塾大学と明治大学が対戦した。

 8勝3分け3敗の4位明治大と、7勝4分け3敗の5位慶應義塾大の直接対決となった今節。前節の戦いでは互いに、降格圏内に沈むチームとの対戦に苦しんだ。明治大は11位中央大に2―1で逆転勝利を収めたものの、ゲーム内容に不満を残す。一方の慶應義塾大は、最下位筑波大に終盤に追いつかれ、勝ち点を取りこぼしてしまった。上位進出、さらには逆転優勝を狙う両チームの一戦は、総合力で慶應義塾大を圧倒した明治大が4―1で勝利した。

「走力、球際の激しさ、切り替えのスピード、ボールコントロール、攻撃の多彩さ、全てにおいて実力的に圧倒した」と、明治大の神川明彦監督は、選手たちの健闘ぶりを称えた。相手にチャンスというチャンスはほとんど与えず、失点はPKでの1点のみ。言葉通りの‟完勝”を収めたチームの状況を、神川監督はリーグ制覇、天皇杯出場を果たした2007シーズンに似ていると例える。「天皇杯(予選)で慶應義塾大に勝たせてもらった試合以降、変な試合は1度もない。上(首位順天堂大)と(勝ち点)3差でしょ?このまま行けますよ」と、不敵な笑みを浮かべた。

 慶應義塾大の須田芳正監督が、「あの1点目で(試合が)決まっちゃった」と振り返ったように、セットプレーの強さが勝敗を分けた。明治大が挙げた4得点のうち、2得点はCKから。前節開始3分で失点を喫した反省が生かされ、今節は3分にMF苅部隆太郎(4年・川崎フロンターレU―18出身)がCKのこぼれ球を豪快に突き刺し、先制点を奪った。

 21分にPKでの得点で慶應義塾大が同点に追いついたものの、試合を完全に支配する明治大が追加点を奪うのは時間の問題だった。30分、左サイドのDF高橋諒(3年・国見高校出身)からのクロスにFW藤本佳希(4年・済美高校出身)が頭で合わせ、勝ち越しに成功。65分には、藤本が今度はペナルティーエリアの外でボールを受け取り、左足で冷静にゴールを打ち抜く。自身も「自分の中でもすごい良いゴールだった」と言う会心の今季9得点目で、得点ランク2位に躍り出た。「(得点王は)狙えるなら狙っていきたい。まずはチームが勝ってなんぼですけど」と、個人タイトルも虎視眈々と狙っている。

 今節の結果で、後期リーグ4戦無敗は明治大のみとなった。順位も一つ上がり、直接対決を残す首位順天堂大との勝ち点差はわずか3。「自分たちが勝っていればそういうこと(上位チームの敗戦)もある。今後も負けないことが大事」と、エースの藤本は気を引き締めた。

 関東大学1部リーグ第15節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。

国士舘大5-1中央大
専修大2-2東京国際大
早稲田大0-1筑波大
流通経済大1-4桐蔭横浜大
順天堂大0-1駒澤大
慶應義塾大1-4明治大

1位:順天堂大学(勝ち点33/得失点差+15)
2位:専修大学(勝ち点30/得失点差+18)
3位:明治大学(勝ち点30/得失点差+12)
4位:早稲田大学(勝ち点28/得失点差+7)
5位:国士舘大学(勝ち点25/得失点差+6)
6位:慶應義塾大学(勝ち点25/得失点差+4)
7位:駒澤大学(勝ち点23/得失点差-5)
8位:桐蔭横浜大学(勝ち点16/得失点差-10)
9位:流通経済大学(勝ち点14/得失点差-10)
10位:東京国際大学(勝ち点11/得失点差-8)
11位:筑波大学(勝ち点9/得失点差-14)
12位:中央大学(勝ち点8/得失点差-15)

文=平柳麻衣

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