決勝点を挙げた明治大FW和泉竜司(右) [写真]=内藤悠史
関東大学1部リーグ第16節が4、5日に各地で開催。古河市立古河サッカー場では、4日の第1試合で明治大学と筑波大学が対戦した。
9月6日の後期リーグ開幕後、4戦全勝と波に乗る明治大は、首位の国士舘大に勝ち点差3に迫っている。5連勝を懸ける一戦では、U-21日本代表の一員としてアジア大会を戦ったDF室屋成(2年・青森山田高校出身)も復帰し、先発メンバーに名を連ねた。一方の筑波大は、2勝3分け10敗の勝ち点8で11位に低迷している。対照的な成績を残す両校の一戦は、1-0で明治大が勝利。前半終了間際に挙げた1点を守りきり、5連勝を果たした。
4連勝中で迎えた11位チームとの一戦。多少の気の緩みが生じかねない状況とも言えたが、明治大の選手たちは並々ならぬ強い思いを持って臨んだ。主将GK三浦龍輝(4年・FC東京U-18出身)は、「2年前にも同じ形で、6連勝した後に筑波大に大敗してしまった。負けるとしたらこの試合ということで、『今年はそれを繰り返さないように』と、チーム内で強く言い合っていた」と言う。2年前と似たシチュエーションで迎えたからこそ、「勝っても負けても、その後に大きく響く試合」と、今節を重要視していた。
土が剥き出しになっている部分も見受けられるなど、凹凸が目立つ劣悪なピッチコンディションの影響もあり、前半は互いに決定機を作り出すことなく進んだ。中盤でのボールコントロールが不安定になり、パスカットされるよりも大きく蹴り出した方が良いと、割りきったプレーが増えていく。均衡が破られたのは32分。明治大の左サイドバック・DF高橋諒(3年・国見高校出身)がオーバーラップからクロスボールを供給すると、ファーサイドのFW和泉竜司(3年・市立船橋高校出身)がヘディングシュート。ゴールネットを揺らし、結果的に決勝点となった。
1点リードの後半途中から、明治大は筑波大に押し込まれる時間が増えた。川崎フロンターレ加入内定のMF車屋紳太郎(4年・大津高校出身)のシュートが右ポストを直撃するなど肝を冷やす場面もあったが、何とか逃げきりに成功。明治大の栗田大輔助監督は、「チーム状態が悪ければ負けてしまう試合だったと思う。今は内容よりも結果。勝ちきれていて、反省材料もできて来週(次節)に向けて修正もできるので、力がついてきたのかなと思う」と手応えを掴んでいる様子で、殊勲のFW和泉も呼応するように「苦しい試合でピンチもあったけど、勝ちきれたことは大きい。前期は失点してしまっていたので、成長したと思う」と語った。
内容が良くなくとも、最少得点差で勝ち点3を掴んだ90分間は、優勝を争うチームにふさわしい。「その後に大きく響く試合」をモノにしたことで、明治大の勢いはさらに加速するだろう。後期開幕戦以来、4試合ぶりに復帰したDF室屋もチーム状態に自信を見せる。「ずっと連勝していたので、『自分が入って負けるわけにはいかない』というプレッシャーもあった」と笑いつつ、「相手どうこうというよりも、自分たちが勝っていけば優勝できると思う。足下を見つめながら、目の前の相手に勝っていきたい」と逆転でのリーグ制覇を見据えた。
関東大学1部リーグ第16節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。
明治大1-0筑波大
専修大1-1流通経済大
駒澤大4-2桐蔭横浜大
順天堂大3-3東京国際大
慶應義塾大-国士舘大(悪天候によるグラウンド不良で延期)
早稲田大-中央大(悪天候によるグラウンド不良で延期)
1位:順天堂大学(勝ち点34/得失点差+15)
2位:明治大学(勝ち点33/得失点差+13)
3位:専修大学(勝ち点31/得失点差+18)
4位:早稲田大学(勝ち点28/得失点差+7)※1試合未消化
5位:駒澤大学(勝ち点26/得失点差-3)
6位:国士舘大学(勝ち点25/得失点差+6)※1試合未消化
7位:慶應義塾大学(勝ち点25/得失点差+4)※1試合未消化
8位:桐蔭横浜大学(勝ち点16/得失点差-12)
9位:流通経済大学(勝ち点15/得失点差-10)
10位:東京国際大学(勝ち点11/得失点差-8)
11位:筑波大学(勝ち点9/得失点差-15)
12位:中央大学(勝ち点8/得失点差-15)※1試合未消化
文=内藤悠史