明治大と駒澤大の一戦は激しい撃ち合いの末、ドローに終わった [写真]=平柳麻衣
関東大学1部リーグ第17節が12日に各地で開催。味の素スタジアム西競技場で行われた第1試合では、明治大学と駒澤大学が対戦した。
後期リーグ開幕から5連勝と快進撃を続ける2位明治大は、前節の勝利で首位順天堂大に勝ち点1差まで迫った。今節は8日に大阪府堺市で行われた全日本大学サッカー選抜対ベトナムA代表の強化試合に出場した主力の6選手が、中3日で試合に臨まなければならなず、コンディション面に懸念が残る。対する7位の駒澤大は、後期開幕戦こそ国士舘大に敗戦したものの、その後は3勝1分けと着実に結果を残している。好調なチーム同士の対戦は、持ち味を発揮した点の奪い合いとなり、3―3のドローに終わった。
立ち上がりから明治大がペースを握り、幾度もゴールを脅かしたが、先行したのは駒澤大。29分、右サイドバックの大木暁(4年・東京ヴェルディユース出身)のクロスにFW菊池将太(3年・浦和東高校出身)が頭で合わせて先制する。直後の32分には、左サイドで得たFKからMF斎藤純平(4年・秋田商業高校出身)が押し込み、得意とする高さを生かした攻撃で立て続けに2点のリードを奪った。
ボール支配率や決定機の数では圧倒しながらゴールを割れずにいた明治大がようやくスコアを動かしたのは、前半アディショナルタイム。全日本大学選抜にも招集されたMF差波優人(3年・青森山田高校出身)が直接FKをゴール右隅に沈め、1点を返して試合を折り返す。
後半に入っても構図は変わらず、パスワークで相手DF陣を崩しに掛かる明治大。体を張った守備で対抗する駒澤大も、隙あらば素早くサイドにボールを運んでクロスを上げ、優位である高さ勝負を仕掛ける。両チームがそれぞれ目指すサッカーを体現する中、迎えた58分。明治大FW矢島倫太郎(4年・浦和レッズユース出身)がセットプレーのこぼれ球を押し込み、ついに試合は振り出しに戻った。しかし、勢いのまま逆転を狙う明治大が62分、69分のシュートチャンスを決めきれずにいると、リードを奪ったのはまたしても駒澤大。71分、右サイドバックの大木のクロスを受けたMF小牧成亘(4年・ルーテル学院高校出身)がDFをかわして押し込み、再び勝ち越しに成功した。
追いつきたい明治大は、選手交代によりシステムを3―4―3に変更し、右サイドバックでプレーしていたU―21日本代表DF室屋成(2年・青森山田高校出身)のポジションを一つ前に上げると、この采配がすぐさま功を奏す。75分、全日本大学選抜DF高橋諒(3年・国見高校出身)が左サイドを突破してシュートを放つと、GKが弾いたこぼれ球を前線に上がっていた室屋が押し込み、再度同点に。90分間の死闘も決着はつかず、試合終了の笛と共に選手たちはピッチに倒れこんだ。
今節の結果により、首位争いは勝ち点3差に4チームがひしめく大混戦となった。3位に後退した明治大の栗田大輔助監督は、「悔しい結果だが、今日の試合の流れから言えばよく負けなかった」と選手たちを労った一方で、久々に勝ち点を落としたことで見えた課題もある。「うちには室屋、高橋とサイドで負けちゃいけない選手が揃っているのに、一対一で抜かれて(クロスを)上げられた。もう一度、謙虚になってやっていかなければ」と、駒澤大の攻撃パターンに後手を踏んだ守備面を指摘。先月の仁川アジア大会からリーグ戦、全日本大学選抜とハードな日程が続く室屋は、「疲れているといえば疲れているけど、その分成長できるし、サッカーをやれてること自体が幸せなので。アジア大会での経験は自信になりましたし、もっと違いを出さなきゃいけない。失点シーンはもうちょっと上手く対応できたはずなので、修正していきたい」と、気を引き締めた。
関東大学1部リーグ第17節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。
早稲田大3-1桐蔭横浜大
専修大6-2中央大
国士舘大4-4流通経済大
順天堂大3-2筑波大
明治大3-3駒澤大
慶應義塾大0-0東京国際大
1位:順天堂大学(勝ち点37/得失点差+16)
2位:専修大学(勝ち点34/得失点差+22)
3位:明治大学(勝ち点34/得失点差+13)
4位:早稲田大学(勝ち点34/得失点差+11)
5位:国士舘大学(勝ち点27/得失点差+6)
6位:慶應義塾大学(勝ち点27/得失点差+4)
7位:駒澤大学(勝ち点27/得失点差-3)
8位:流通経済大学(勝ち点16/得失点差-10)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点16/得失点差-14)
10位:東京国際大学(勝ち点13/得失点差-8)
11位:筑波大学(勝ち点9/得失点差-16)
12位:中央大学(勝ち点8/得失点差-21)
文=平柳麻衣