全国高校選手権出場を決めた日大藤沢 [写真]=内藤悠史
12月30日に開幕する第93回全国高校サッカー選手権大会を控え、8日に神奈川県の地区大会決勝がニッパツ三ツ沢球技場で開催。厚木北と日大藤沢が対戦した。
1日の準決勝第1試合で、麻布大附属をPK戦の末に破った厚木北。初めて決勝進出を果たした勢いそのままに、全国大会初出場を目指す。対するは、準決勝第2試合で桐蔭学園との打ち合いを制した日大藤沢。2007年(第86回大会)以来4回目となる本大会出場へ王手をかけた。
エンジと桜色に染まった両校応援団が熱い声援を送る中、曇り空の下でキックオフの笛が鳴った。序盤は互いに出方を窺う展開に。開始5分、日大藤沢はFW蛭田悠弥が放ったFKからクロスバー直撃のチャンスを迎えたが、得点は生まれなかった。長いボールを織り交ぜて前方への圧力をかける日大藤沢に対して、厚木北は細かいパスでの打開を図る。だがゴール前まで進入する場面は少なく、14分にDF須川裕斗が左足ミドルシュートで狙ったが、枠の左へと外れた。
流れの中から決定機が生まれずに推移する中、均衡はセットプレーで破られた。先制したのは日大藤沢。29分、MF西尾隼秀が蹴り込んだ左CKにDF小野寺健也が反応し、打点の高いヘディングシュートでゴールネットを揺らした。準決勝ではセットプレーからハットトリックを記録しているDF小野寺が、決勝の舞台でも値千金の得点を挙げ、前半は日大藤沢が1点リードで終えた。
後半に入ると、1点を追う厚木北が攻勢を強めていく。47分にはMF森勇人が最終ラインの背後を取り、ペナルティーエリア右側から中央へラストパス。走り込んでいたFW曽我涼が押し込んだが、オフサイドの判定で得点は認められなかった。以降も、オーバーラップしたDF須川が左サイド深くからクロスを上げるなどチャンスを作ったが、同点弾は決まらない。
押し込まれる格好となった日大藤沢は、FW住吉ジェラニレショーンやFW田場ディエゴを投入して攻撃陣を活性化。個人技を活かして前線でのアクセントとなり、終盤は両校が攻め合うオープンな展開となった。
4分と表示されたアディショナルタイムを含め、厚木北は最後まで同点弾を目指して必死の攻撃を仕掛ける。セットプレーではGK鈴木武もゴール前に進出した。しかし、身体を張って応戦する日大藤沢のゴールネットを揺らすことはできなかった。
試合は1-0で終了。セットプレーからの1点を守りきった日大藤沢が神奈川県大会を制し、2007年以来4回目となる全国大会出場を決めた。
第93回全国高校サッカー選手権大会は12月30日に駒沢陸上競技場で開会式・開幕戦が行われ、決勝戦は2015年1月12日に埼玉スタジアム2002で開催される。
(取材・文=内藤悠史)
【得点者】
0-1 29分 小野寺健也(日大藤沢)