文=森田将義
高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プレミアリーグWEST(http://www.jfa.jp/match/prince_takamado_trophy_u18_2015/premier_2015/)が開幕。初の試みとして大阪・J-GREEN堺で複数試合を行う「セントラル開催」を実施し、初日の11日には3試合が行われた。
先陣を切ったのは京都サンガF.C.U-18とヴィッセル神戸U-18。今シーズンから元日本代表DF森岡隆三監督が就任した京都が前線から果敢にボールを奪いに行くスタイルで主導権をつかむと、23分にDF宅野海里のヘディング弾のこぼれ球をFW松下英右が押し込んで先制に成功。30分にもFW沼大希が加点したが、神戸も前半終了間際に1年生FW佐々木大樹が1点を返した。逃げ切りを図りたい京都だったが、「緊張はなかったけど、開幕戦ということで精神的にやられていたのかもしれない」と沼が振り返ったように、後半からは攻撃陣が次々に足をつり、途中交代したことで劣勢に。試合終了間際には神戸DF白石健の豪快なミドルシュートが決まり、勝ち点1を分け合う結果となった。
第2試合は昨季、最終節で残留をつかんだ京都橘高校と昇格組の大分トリニータU-18が対戦。序盤から大分がU-18日本代表のMF岩田智輝を中心としたパス回しから厚みのある攻撃を仕掛けたが、GK矢田貝壮貴が決定機をブロック。シュート0本に終わったものの、京都橘としては「あれしかないと思っていた」(米澤一成監督)という理想通りの前半を過ごした。後半からは、高校選抜の欧州遠征から帰ってきたばかりのFW岩崎悠人を投入し、京都橘が反撃を開始。大分もDF宮原太一をマンツーマンでつけて対応したが、51分にFW堤原翼が岩崎を上手く囮に使い、ドリブルからのシュートを決めて試合を動かした。だが、直後の53分に右CKのこぼれ球を大分MF浅原直弥に押し込まれると、1-1のまま終了を迎えた。
この日の最後を飾ったのは昨年度のWEST王者、セレッソ大阪U-18とインターハイ王者の東福岡高校。東福岡は伝統の[4-3-3]ではなく、本山雅志(鹿島)らを擁し三冠を達成した1998年の選手権決勝以来となる3バックを採用し、C大阪の攻撃を封じに出たが、「前線にしっかりボールが収まるし、スピードもあって対応しきれなかった」(MF中村健人)。18分に奪ったFW井上泰斗の先制ゴールを皮切りに、4得点を奪うなどC大阪が圧倒的な攻撃力を見せつけ前半を終えた。後半はシステムを[4-3-3]に戻した東福岡がリズムを作ったが、60分には相手のクリアボールをC大阪MF立石和真がダイレクトで打ち返し、追加点を獲得。中村がFKを直接決めるなど東福岡も意地を見せたが、82分にはDF舩木翔が6点目を決めるなど最後まで攻撃の手を緩めなかったC大阪が6-1の大勝で開幕戦を物にした。