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5位入賞のFC東京中村監督「Jクラブとして負けるわけにはいかなかった」…東京国際ユース大会

2015.05.04

順位決定戦でゴールを挙げるなど活躍したFC東京の戸坂隼人 [写真]=山口剛生

 5月1日から4日間にわたって開催された2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会。日本国内からはFC東京東京ヴェルディ、東京都選抜、岩手県選抜、宮城県選抜、福島県選抜、茨城県選抜の7チームが出場した。

 日本勢で最上位の成績を残したのは、元日本代表の中村忠監督が率いるFC東京。1次ラウンドの初戦で茨城県選抜に2-1で競り勝つも、続く2試合目はPKによる失点でカイロに0-1と敗戦。最終戦は中国の八一中学(北京)に13-0と大勝したがグループ2位に終わり、第2トーナメントに回った。

 各グループ1位が出場する決勝トーナメント進出は逃したものの、「Jクラブとして負けるわけにはいかなかった」(中村監督)と奮い立ったFC東京は、順位決定戦でチェルタノヴォ(モスクワ)に4-0と完勝。コンパクトに保った陣形で積極的な姿勢を貫き、決定機やポゼッションで相手を圧倒するなど日本勢としての意地を見せ、5位で今大会を終えた。

 中村監督は「過去に行ったことがない第1トーナメント進出を最低ラインの目標にしていた。勝ち上がればボカジュニアーズ(ブエノスアイレス)やコリンチャンス(サンパウロ)といった球際が強く、展開が速い相手と試合ができたので、そこに選手たちを連れていけなかったことは残念」と今大会を総括したが、一方で唯一の敗戦となったカイロ戦では大きな収穫を得たと話す。

「カイロ戦は立ち上がり10分間くらい、うちが弱気になってしまってPKを与えてしまった。試合前に『前からガンガン行け』と伝えていたし、普段からそういうトレーニングをしているつもりですけど、実際にこのレベルのチームとやる回数は極端に少ないので、様子見から入ってしまう。Jクラブ同士でやってもなんとなくできてしまうことが、強い相手だとこういう結果になるので、そういう意味でカイロと試合をやれたことはほんとにありがたかったし、選手たちはいい経験を積めたと思う」

 体格や球際の強さ、判断の速さなどで日本にはない特長を持っているチームとの試合経験を積めたことは、他の年代と比べて大会数が少ないU-14世代にとって、貴重な場となっている。中村監督は「スピード感に慣れればボールを動かせるし、シュートも打てるのが日本のチームのいいところ」としながらも、ユース年代の日本代表が国際大会で結果を残せていない現状について、「個人の戦いで、日本はプラスできるところをもっと上げていかなきゃいけない。ボールを動かす精度を上げることやシュートのタイミング、点を取る気迫」と課題を挙げた。

「フェアプレーも必要ですけど、綺麗ごとを言っていたら勝てない。ルールの中で真剣にやりあうことができればいいと思う。今大会をとおして、奪うことを怖がらずにできていた選手もいた」

 2008年から始まった東京国際ユース大会は今年で7回目の開催。決勝でコリンチャンス(サンパウロ)を1ー0で破ったカイロが初優勝を果たしている。

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