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堅守復活で全試合完封V…PKセーブの明治大GK服部「ある意味必然の優勝」/アミノバイタル杯

2015.06.08

2年ぶりの優勝を喜ぶ明治大 [写真]=平柳麻衣

文=平柳麻衣

 7日、「アミノバイタル」カップ2015第4回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》の決勝戦が味の素フィールド西が丘で開催。0-0のまま突入したPK戦で、明治大学が5-3で筑波大学を下し、2年ぶりの同大会チャンピオンに輝いた。

 全試合完封優勝の立役者となったのは、堅守を支えたGK服部一輝だ。9日間で5試合を戦うハードな日程の今大会で、試合ごとに守備陣のメンバーが入れ替わる中、5試合すべてに出場。準決勝から連日で行われた決勝戦でも、延長戦を含めた110分間、集中力を切らすことなくゴールを守り通した。勝敗の行方がPK戦に委ねられると、「PKはもともと得意なほうなので、最初の1、2人目で止めて後の蹴る人を楽にしてあげたかった」という言葉のとおり、筑波大の1人目のキックをセーブ。「相手の助走とか角度を見て、どっちに飛ぶか決めるタイプ。それがうまくハマって止められた」と、左隅へ飛んできたシュートを確実に読み切り、両手で弾き出した。
 
 7月開催のユニバーシアード日本代表にバックアップメンバーも含め全チーム中最多の6名が選出されるなど、個のタレント性が光る明治大だが、リーグ戦では優勝候補の筆頭に挙げられながら10節を終えて8位。特にリーグワースト3位タイの失点数が目立つことについて、「このメンバーで勝てないのは(三浦)龍輝くん(現柏レイソル)が抜けたからだってすごい言われていたのが悔しかった」と服部。昨季まで背中を追い続けていた絶対的守護神、三浦の存在の大きさを痛感していた。

 しかし、そんな周囲の雑音にも「龍輝くんとはタイプも違うので、自分は自分のできることをやるだけ」と一人で気負うことなく、チームとしてのレベルアップや守備の立て直しに努めた。「リーグ戦では時間帯によって声が途切れたりして、コミュニケーション不足で失点することがあったので、組織的に守ることを大会前に話し合った。いい守備をして攻撃に移すというのが明治のスタイル。今大会では、後ろの選手一人ひとりが前の選手を動かすことを意識的にやってくれていたので、優勝できたのはある意味必然だったと思う」。試合を重ねるごとに自信を深めていくと、攻撃陣も決勝こそ無得点だったが、4試合で10得点と安定した結果を残し、攻守両面のバランスが整ったチームに成熟した。

 栗田大輔監督も、「選手たちが一皮むけてくれたことが無失点につながった。チームが目指す泥臭いサッカーを全員がブレずにできたことが大きい」とチームの出来に手応えを感じており、「明治大らしい優勝だった。優勝と準優勝では全然違う。本当にうれしい」と、監督就任1年目で初タイトルを手にした喜びを語った。

 関東王者の肩書を背負い、第1代表として総理大臣杯へ。勝負強さを取り戻した明治大は、決勝戦で敗れた2年前の悔しさを晴らすべく、真夏の大阪決戦に挑む。

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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