文・写真=平柳麻衣
キックオフ直後から勢いと走力で専修大学を圧倒していた早稲田大学。28分に生まれたFW宮本拓弥の先制点の場面も、チームの武器であるカウンターから相手の隙を確実に突いた。
自陣の深い位置でDF奥山政幸がボールを持つと、素早く最前線左サイドの宮本へロングフィードを送る。一度は宮本とボールの間に相手DFが体を入れこんだが、宮本が再び奪い返してすかさず右足シュート。これが待望の先制ゴールとなった。
得点の場面以外でも、積極的にシュートを放っていた宮本は試合後、「前期は3点しか決められず少ないと感じていたので、後期はまず、シュートの回数を増やしていこうと思っていた。そこに関しては吹っきれたので、今後も隙あらばシュートを狙っていく」と明かした。
宮本はシーズン前に続き、リーグ中断期間中にもJ1清水エスパルスの練習に参加した。これも宮本に変化をもたらしている。身長182センチ、体重82キロと大柄な体格の宮本にとって、7月から新たに清水に加入した助っ人FW鄭大世は、格好のお手本だった。「鄭大世選手やピーター・ウタカ選手は、FWとしての体の使い方が本当に素晴らしい。特に鄭大世選手は僕に似ている部分があるし、似た選手というのは良い刺激になる。参考になるものが多かったので、練習参加して良かった」
宮本のゴールで弾みをつけた早稲田大は後半にも追加点を挙げ、1失点したものの2-1で競り勝った。ゴールで勝利に貢献した宮本だが、自身のパフォーマンスにはまだ納得していない。「後半の残り30分ぐらいは体力的にすごくきつくて、後ろの選手には迷惑をかけたと思う。途中からチームとして守備の仕方を変えて、勝利に徹する選択ができたのは良かったけど、個人としてはもっと走力をつけなければいけない。やっぱり今日のように押しこまれるシーンが多いと、連戦になった時にやられてしまうので。苦しいところでもっとボールキープをしたり、ボールを呼びこむプレーができるようになりたい」
目標であるプロのサッカー選手への道を切り開くため、そしてリーグの頂へ。「ここからが僕自身の勝負なので、どんどん結果を出していかないといけない。FWとして結果を出すことが一番のアピールポイントになる」と話した宮本は、限りある残りの関東大学リーグ戦でも、貪欲にゴールを狙い続ける。
By 平柳麻衣