優勝杯を掲げる藤枝順心のキャプテン黒﨑優香 [写真]=吉田孝光
第24回全日本高等学校女子サッカー選手権大会の決勝が10日に兵庫県内で行われ、藤枝順心(東海1位/静岡)と神村学園(九州1位/鹿児島)が対戦した。
9年ぶり2度目の優勝を目指す藤枝順心は、1回戦で聖和学園(東北2位/宮城)、2回戦で鎮西学院(九州3位/長崎)、準々決勝で鳳凰(九州2位/鹿児島)を撃破。準決勝ではインターハイ(全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会)準優勝の大商学園を3-1で破り、2年ぶりの決勝進出を果たした。一方、過去2度の優勝を誇る神村学園は、1回戦で北海道明清(北海道1位/北海道)、2回戦で広島文教(中国2位/広島)、準々決勝ではPK戦の末に常葉橘(東海2位/静岡)を退けた。準決勝の修徳(関東2位/東京)戦では得意のセットプレーから2得点を挙げ、3年ぶりの決勝進出を決めた。
強豪校同士の対決となった決勝戦。開始早々にチャンスを作ったのは藤枝順心だった。3分、左サイドから攻めこむと、エリア内左で岩下胡桃がポストプレーから肝付萌へボールを落とす。肝付はドリブルで中央へ持ち込み、タイミングをずらしながら右足シュート。これがゴール右下に決まり、藤枝順心が幸先良く先制に成功した。
しかし、神村学園は直後の3分にすぐさま反撃に出る。エリア手前左でボールを持った園田悠奈が、サイドをオーバーラップしてきた小川愛へパス。小川がエリア左横までドリブルで持ち上がって折り返しのボールを入れると、渡辺玲奈がヒールシュートでこれを押し込み、わずか49秒後に同点ゴールを決めた。
16分、藤枝順心が最終ラインから前線へロングボールが入ると、エリア内左でボールを受けた児野楓香がマイナスの折り返し。走りこんだ肝付が倒れ込みながら右足シュートを狙ったが、ボールは枠の上に外れてしまった。
藤枝順心が攻めこむ場面が続いたが、神村学園は体を張ってゴールを割らせない。すると41分、神村学園は左サイドの水津桃果がクロスを入れる。一度は相手DFにクリアされたが、エリア手前にこぼれたボールを渡辺が拾ってミドルシュート。右足から放たれた強烈なシュートがゴール左上隅に決まり、神村学園が逆転に成功した。
リードを許した藤枝順心は44分、福田ゆいが後方からロングボールを供給。前線に走りこんだ安部由紀夏がワントラップから右足シュートをゴール左に決めた。同点ゴールかと思われたが、ここはオフサイドの判定で得点は認められなかった。このまま2-1で神村学園がリードして前半終了を迎えた。
後半立ち上がりも藤枝順心が試合のペースを握る。60分、敵陣中盤でボールを奪うと、岩下が最終ラインの裏に浮き球のパスを送る。これに反応した肝付がエリア内でパスを受け、左足でゴール左に蹴りこんだ。これで試合は2-2の振り出しに戻った。
追いつかれた神村学園も徐々にチャンスを作り出す。63分、エリア内左でこぼれ球を拾った小川が右足シュート。しかし、ここはわずかに枠の左に外れてしまい、ゴールを割ることができない。
すると66分、藤枝順心の攻撃が実る。エリア手前左でボールを持った肝付が逆サイドに浮き球のパスを送る。すると、エリア内右に走りこんだ安部がニアサイドに右足ボレーシュートを豪快に蹴り込み、再逆転に成功した。
リードを許した神村学園も得意のセットプレーから相手ゴールに迫る。71分、右サイドでFKを獲得すると、小野伶莉が意表をついて直接シュート。しかし、ボールは落ちきらずに枠の右上に外れてしまった。
藤枝順心は78分にこの試合2ゴール1アシストの活躍を見せた肝付を下げ、2年生の土屋佑津季を投入。さらに90分、途中出場の土屋を下げて3年生の八浪直香をピッチに送り込んだ。
このまま藤枝順心が3-2で神村学園を下し、9年ぶり2度目の女子選手権優勝を果たした。
【得点者】
1-0 3分 肝付萌(藤枝順心)
1-1 3分 渡辺玲奈(神村学園)
1-2 41分 渡辺玲奈(神村学園)
2-2 60分 肝付萌(藤枝順心)
3-2 66分 安部由紀夏(藤枝順心)
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト