同点弾を決めた明治大FW丹羽詩温 [写真]=渡邊弘基(明大スポーツ)
見事な逆転劇で厳しいゲームをものにした。同じく開幕白星スタートを切った法政大学とのJR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦1部第2節は、立ちあがり5分に相手のリスタートから失点。失点後はボール保持の時間が多くなるもチャンスをつくれず、0-1で折り返す。後半も法政大のブロックを崩せない時間が続いたが、69分にディフェンスラインの裏を取った丹羽詩温が同点弾を沈めると、続く73分には岩田拓也がCKから逆転ゴールを挙げる。その後は最後まで集中を切らさず、2-1の勝利で開幕2連勝を飾った。
2トップの2試合連続アベック弾で試合をひっくり返した。1点ビハインドの69分、ディフェンスラインの裏に飛びだしGKと一対一になった丹羽が、右足インサイドで冷静に同点ゴールを沈める。中盤でボールを持った途中出場の土居柊太のスルーパスに「オフサイドラインギリギリで飛びだすことができたので、完全に一対一をつくることができました」(丹羽)。GKが飛びだしシュートコースが狭くなるも、落ち着いてゴール右隅に流しこんだ。
同点に追い付いた勢いそのままに73分。道渕諒平の右CKに、岩田がヘディングで合わせる。「(丹羽)詩温が決めてくれたので、自分も決めてやろうという気持ちでした」と同期で相棒の一発に奮起。運動量豊富に献身的な守備を続けていた岩田が試合を決める貴重なゴールを挙げた。前節リーグ戦初ゴールを決めた4年生2トップの2試合連続弾で勝利を引きよせた。
シーズン序盤の逆転勝利を成長の糧とする。5分、相手陣内からの素早いリスタートに対応しきれず、サイドを破られて先制点を献上。「ああいう得点を防ぐことができたら一流だと思いますが、僕も含めて実力不足があっての失点だったと思います」と主将・GK服部一輝。しかしその後は服部中心に失点を割りきったサッカーを徹底した。逆転後の84分には柴戸海がファウルを犯し、一発退場。10人と数的不利となったが、我慢強い守備で法政大の猛攻を凌ぎきった。
前節の慶應義塾大学戦で面白いように決まった相手ディフェンスライン裏への飛びだす動きは「相手がしっかりと研究していて、あまりスペースが生まれませんでした」(岩田)と前半は完全に影をひそめた。ハーフタイムに戦い方を修正した後半は、最終ラインと中盤の間にボールを集めて中盤でためをつくり、相手守備陣のバランスを崩した。象徴するのは丹羽が決めた1点目のシーン。「相手が食いついてきたら、はたくことを意識していました」と左サイドから中央にポジションを移した土居がボールを受けて相手DFの足を止めると、そのスキを丹羽が逃さなかった。試合の中で戦い方をシフトし、2得点での逆転勝利。「強くなっていけるチームだなと感じています」と服部も手応えをつかんだ。
開幕好スタートにも慢心はない。栗田大輔監督は「このチームはきちっと1試合を戦っていくしかない」ときっぱりと口にし、選手たちも気を引き締める言葉を並べた。次節の相手は流通経済大学。開幕2連敗と低迷しているが、近年接戦を繰り広げているライバルだ。昨年から中盤を支え続ける柴戸の出場停止は響くが、チーム力で開幕3連勝だけを目指す。
文=鈴木拓也(明大スポーツ)
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