6月22日から26日にかけて鳥取で行われるU-16 インターナショナルドリームカップ2016 JAPAN Presented by JFA。第2回目を迎える今大会には、各大陸からハンガリー、マリ、メキシコの強豪3カ国が参加する。U-16日本代表を率いる森山佳郎監督、齊藤俊秀コーチに出場チームの印象や大会への意気込みをうかがった。
インタビュー=安田勇斗 写真=酒井伸
――昨年の第1回大会で日本は優勝しました。
森山 ワールドカップに出場しないと対戦できないような強豪と試合をして、いろいろな圧力を経験することができました。フランスには190センチを超える選手も多く、体格が違う相手と対峙して、自分たちの良さや足りない部分を理解できたと思います。
――コスタリカ、チリ、フランスに3勝した結果はどのように捉えていますか?
森山 もちろん簡単には勝てないだろうと思って大会に臨みました。押しこまれる時間帯も多かったのですが、その中で日本人の武器である我慢強さを持って戦ってくれました。すべての試合で先制して耐えながら勝利できたことは、選手たちにとって自信になったと思います。
――お二人にとって、この大会の魅力はどんなところだと思いますか?
森山 強豪国が参加するので、アジア予選(AFC U-16選手権インド2016)前に今のチームの立ち位置を確認でき、成長するきっかけにもなると思っています。
齊藤 アジア予選を9月に控える選手たちがこの大会に参加できることは、非常に貴重な機会だと思います。日本もこれまでヨーロッパ遠征などを行っていますが、今回はホスト国としての地の利を活かして、勝負にこだわった試合をしていきたいです。
――参加国のイメージは?
森山 ヨーロッパのチームは「サッカーを知っている」という印象です。また、屈強かつテクニカルな選手もいるので、ハンガリーは手強い相手になるでしょう。マリは近年、急激に力をつけてきたチームで、世代別のワールドカップでも上位に入っています。過去にアフリカのチームと試合をしたことがあるのですが、完全にフィジカルで圧倒され、手応えが3割、完全にやられた感覚が7割で、自分の中には苦い思い出があります。一人ひとりのフィジカルの強さや躍動感を肌で感じながら、選手たちには格上相手にも真っ向勝負をしてほしいです。メキシコは日本と背格好が変わりませんが、闘争心や前への推進力があります。メンタリティーも含めたベースで負けたくない相手です。
齊藤 マリの一人ひとりのリーチの長さやプレーエリアの幅は、“百聞は一見に如かず”で、対戦してみないとわかりません。また、この年代で世界一を取ろうとするのならば、アフリカ勢を乗り越えないといけない。昨年、チリで行われたU-17ワールドカップも、ナイジェリアが優勝、マリが準優勝でした。このタイミングでマリと対戦できることは、すごく良い経験になると思います。
――今大会は鳥取県で行われますが、開催地の印象はありますか?
森山 トレセンコーチを2年間やっていて、鳥取にも何度か足を運びました。サンフレッチェ広島ユースを指導している時も、鳥取で試合をすることが多かったので、知っている指導者も多いんです。同年代の子どもたちを含めて、いろいろな人に試合を見てもらい、「日本はすごい」、「ああいう風になりたい」と思ってもらいたいですね。
齊藤 昨年、J3のスタッフとして鳥取に行き、歴史的で整備されたきれいな街という印象を持ちました。去年は大阪、今年は鳥取と、各地で国際大会を開催していただけることは、その地域の選手たちが試合を見ることで刺激を受け、日本全体の育成につながっていくと思うので、今回の機会を作ってくれたことや招致してくれた方々に感謝したいです。
――大会連覇が目標になると思いますが、3カ国相手にどのように勝っていきたいですか?
森山 日本人の良さである技術、戦術、敏しょう性、運動量を前面に出しつつ、個々のストロングポイントを活かし、見てくれる人に「躍動感があって楽しい」と思ってもらえる勝ち方をしたいです。
齊藤 現役時代にパトリック・エムボマ(元ガンバ大阪)と対戦した時に「そんなところからシュートを打っても入らない」と思っていて、あっさり決められたことがあります。まずは、体験しないとわからないことを経験してほしいです。去年、イングランドと試合をして、15分で2点を決められましたが、最終的には勝つことができました。もちろんどの試合も完勝できればいいですけど、シナリオのある勝ち方も選手たちが成長する上では大事だと思います。
1967年11月9日生まれ、熊本県出身。現役時代はマツダSC(1992年よりサンフレッチェ広島)、横浜フリューゲルス、ジュビロ磐田、ベルマーレ平塚でプレー。日本代表として国際Aマッチ7試合に出場した。引退後は広島の育成組織で指導に携わり、数々の全国タイトルを獲得。U-15日本代表アシスタントコーチを経て、2015年より“00ジャパン”こと現U-16日本代表監督に就任。
1973年4月20日生まれ、静岡県出身。元日本代表DF。1996年に清水エスパルスに加入し、プロ生活をスタートさせると、湘南ベルマーレを経て2009年より当時静岡県リーグ1部に所属していた藤枝MYFCへ。同クラブでは選手兼監督を務めた。翌年に東海リーグへ、2012年にJFLへの昇格を果たし、2013シーズン終了後に現役引退および監督退任。2014年末より現U-16日本代表のコーチを務める。
■TV放送予定
6月22日(水)後5:50~
第1戦 U-16日本代表vsU-16ハンガリー代表
6月24日(金)後5:50~
第2戦 U-16日本代表vsU-16マリ代表
6月26日(日) 後2:20~
第3戦 U-16日本代表vsU-16メキシコ代表
チャンネル:BSスカパー!(BS241/Ch.585)
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