追加点を奪った片岡 [写真] =慶應スポーツ
文=中村駿作(慶應スポーツ)
JR東日本カップ2016第90回関東大学リーグ前期リーグ戦を5位で折り返し、優勝を狙うチームとしてはやや物足りない結果となった今季の慶應義塾大学。気持ちを切り替え、「アミノバイタル」カップ2016第5回関東大学サッカートーナメント大会(兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選)へ挑む。昨季この大会では格下相手にPK戦で競り負け、まさかの初戦敗退。慶應大が苦手とする大会だが、過密日程を考慮して2チーム編成で大会に臨んだ。リーグ戦とは大きくメンバーを代えた城西大学との1回戦は41分にリーグ戦でも活躍を見せるMF加瀬澤力のゴールで先制。後半には56分にこの日ゲームキャプテンを務めた小坂慎太朗の素晴らしい縦パスに反応した片岡立綺が追加点。慶應大が安定した戦いで勝利した。
強風吹き荒れる中、静岡、時之栖で行われたアミノバイタルカップ1回戦。須田監督は「2チーム制で挑む」という予告の通り、ターンオーバー制を敷き大幅なスタメン変更をした。序盤から最終ラインを高く保ち、ロングボールを主体に積極的に攻撃を仕掛け勝利を目指す。序盤は敵陣の深くまで押し込む展開が続くが、ピッチが滑りやすく、ゴール前で足をとられ決定機を逃してしまう不運もあり、先制することができない。流れに乗れない慶應大は20分にピンチを迎える。右サイドから相手FWに侵入を許し、ディフェンスをかわしシュートを放たれる。ここは田野稔明のファインセーブがチームを救った。そして41分、今季リーグ戦でも好調の加瀬澤が先制ゴールを生み出す。細かくワンツーパスの交換をしながら、相手ディフェンスの隙間を縫い、最後はトラップからシュートを放ちゴールを決めた。前半の間に得点できたことで流れに乗れた慶應大は、後半も最初から積極的に攻撃を仕掛ける。最終ラインを中央付近に置き、一方的に攻め込む展開を作り出す。そして54分、慶應大に追加点が生まれる。ゲームキャプテンの小坂から出された絶妙なスルーパスは片岡に渡り、最後は落ち着いてゴールキーパーをかわしゴール左隅に流し込んだ。その後は相手のカウンターに遭い、79分には左サイドからゴール前まで攻めこまれ、GKと一対一の局面を作られてしまう。ここで田野がまたしてもスーパーセーブを見せ、ゴールを死守。その後は慶應大有利で試合が進み、2-0で勝利を収めた。
ほとんどの選手たちは中1日で戦わねばならないアミノバイタルカップにおいて、選手層の厚さを活かしターンオーバー制を敷いて負担を軽減できたことは2回戦以降で大きなアドバンテージとなるだろう。大阪で行われる総理大臣杯に出場するためでなく、後期リーグ戦に向けて良い流れを作るためにもアミノバイタルカップで良い結果を残す必要がある。次戦は6月27日、早稲田大学との対戦である。全員で力を合わせ、宿敵早稲田大を撃破し全国大会への切符をつかんでほしい。
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