決勝点を挙げた佐藤 [写真]=渡邊弘基（明大スポーツ）
文＝古賀章太郎（明大スポーツ）
最後の最後で勝利をたぐり寄せた。炎天下の「アミノバイタル」カップ2016第5回関東大学サッカートーナメント大会（兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選）3位決定戦は、関東1部所属、国士舘大学との一戦。序盤から流れをつかみ、明治大ペースで前半を終える。後半に入ると出だしこそ相手のペースになるも、選手交代を通して徐々に流れは明治大に。そして、両者無失点のまま迎えたアディショナルタイム1分、佐藤亮の得点で均衡を破ると、2分後に早坂龍之介のゴールでダメ押し。試合終了間際で国士舘大を突き放し、2－0で接戦を制した。アミノバイタルカップは3位で幕を閉じた。
期待のルーキーが苦しい試合展開を打破した。後半アディショナルタイム1分、土居柊太が出した股抜きパスにペナルティーエリア内で佐藤が反応。ワンタッチでディフェンダーをかわし、空いたシュートコースに左足一閃。ゴール左に突き刺した。「貪欲にゴールを狙っていたのでしっかりゴールにつながった」（佐藤）と最後まで諦めずにゴールを狙い続けた姿勢が決勝点を生み出した。前期リーグ戦では途中出場止まりだった佐藤。しかし、3回戦の日本体育大学戦では初のスタメン入り、今試合ではフル出場を果たし、着実に出場時間を延ばしている。「将来がすごく楽しみな逸材が出てきたなって手応えを感じました」と栗田大輔監督。期待に対し今季3得点目となる決勝ゴールで応えてみせた。
サブメンバーが奮闘した。今試合は準決勝の先発選手と8人を入れ替え、昨年の総理大臣杯の北海道教育大岩見沢校戦以来の約11か月ぶりの先発出場となる富田光や公式戦デビューの安部柊斗といったフレッシュな顔ぶれに。特に安部は19分に相手陣内でボールを奪うとドリブルでシュートまで持ち込んでおり、初出場ながら積極的なプレーを見せた。また、2試合ぶりの先発出場を果たした渡辺悠雅も得意のドリブルで攻撃に勢いを生むなど、サブの選手は気持ちの入ったプレーで猛アピール。「確認できたことは多い」と栗田監督も収穫を口にした。
3試合ぶりに失点をゼロで抑えた。2回戦の青山学院大学戦では2失点、3回戦の日体大戦では4失点、準決勝の早稲田大学戦では後半アディショナルタイムに勝ち越し弾を決められるなど、ディフェンス面で課題が残っていた明治大。しかし、今試合は一貫して集中力を保ち、相手にリードを許さず。本来DFではない柴戸海と巽豪が体を張った守備で相手の攻撃の芽を摘んでいた。「日体大戦のときもセンターバックで出場したので、そのときの反省を生かして、安定して守れました」（柴戸）。ディフェンスの要である小出悠太と鳥海晃司が欠場する中、無失点勝利を成し遂げた。
いざ、2年連続の総理大臣杯へ。前期首位ターンで絶好調で迎えた今大会であったが、連戦とDF陣のけがに苦しめられ、3位で終わった。しかし「昨日負けて今日どういういう試合をやるのかってことがすごく求められる中で、メンバーを代えながらでも良いサッカーができたというのは夏の本大会につながると思います」（栗田監督）。多くの選手を起用したアミノバイタルカップを勝利で終え、総理大臣杯への手ごたえをつかむことはできた。総理大臣杯は夏のインカレとも呼ばれる重要な大会で、昨季は惜しくも関西学院大学に敗れ準優勝に終わった。今年は、その関西学院大は出場しないが「相手というかやるべきサッカーを徹底すれば日本一になれると思っています」（服部一輝主将）ときっぱり。今年こそは創部初優勝をつかんでみせる。
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