ハットトリックを達成した拓殖大FW小野瀬恵亮 [写真]=内藤悠史
JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦2部 第15節が24日に行われ、拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場の第一試合では朝鮮大学校と拓殖大学が対戦した。
後期開幕後3連敗と苦しんでいる朝鮮大学校は、最近2試合で9失点と守備が崩壊。粘り強い戦いで先制ゴールを許さず、勝機を見出したいところだ。対する拓殖大は後期3試合で1勝1分け1敗と五分の戦績。上位進出のためにも“ホームグラウンド”で浮上のきっかけを掴みたい。2試合連続で2失点を喫している守備の改善が求められる一戦だ。
守備に課題を抱える両チームの対戦は、データどおりと言うべきか、互いに打ち合う展開となった。時間を追うごとに雨風が強まる厳しいコンディションの下、均衡を破ったのは拓殖大。40分にMF岩出拓也がペナルティーエリア内で粘りを見せ、ゴールネットを揺らした。前半は1-0で終了。拮抗した展開を経て、1点差でハーフタイムを迎えた。
後半はスコアが激しく動いた。まずは56分、拓殖大MF小島樹が巧みなドリブル突破で左サイド深くまで持ち込み、中央へクロス。ニアサイドへ走り込んだFW小野瀬恵亮がグラウンダーのボールにワンタッチで合わせ、リードを2点に広げた。
2点ビハインドを負った朝鮮大学校も4分後に反撃。セットプレーからゴール前で混戦となり、最後はDF安泰永が押し込んで1点差に迫った。わずか5分間で1点ずつを取り合ったことで、ピッチ上は熱を帯びていくはずだった。
しかし直後の62分、強風雨に加えて雷にも見舞われたことで、試合は一時中断。選手たちと観客は軒下へ引き揚げ、待機を余儀なくされた。天候次第では打ち切りも考えられたが、雷が止んだことで、約10分後にプレー再開が可能となった。
再開直後、すぐにスコアが動いた。64分、拓殖大がPKを獲得。FW小野瀬が豪快に決め、再びリードを2点に広げた。朝鮮大学校に1点を返され、相手が勢いに乗ったタイミングでの試合中断。幸運とも言える流れを活かし、もう一度主導権を手繰り寄せるうえで大きな意味を持つ3点目を奪ってみせた。
優位に試合を進める拓殖大は76分、FW小野瀬が強烈な右足シュートを突き刺してハットトリックを達成。背番号「9」の活躍で、リードを3点に広げた。小野瀬は今シーズンのゴール数を「11」に伸ばし、得点ランキング2位に躍り出た。
劣勢となった朝鮮大学校は79分、金成純が鮮やかな直接FKを決めて2点目を挙げたものの、反撃はここまで。試合は4-2で終了し、拓殖大が打ち合いを制して今シーズン5勝目を挙げた。拓殖大の次節は10月1日、古河市立古河サッカー場の第二試合で神奈川大学と対戦する。
一方、3試合連続で大量失点を喫してしまった朝鮮大学校。後期開幕後4連敗、失点は15と苦しい戦いが続く。次節は10月2日、古河市立古河サッカー場の第一試合で明治学院大学と対戦。残留争いに巻き込まれつつあるだけに、最下位相手の一戦で浮上のきっかけを見出したい。
【得点者】
0-1 40分 岩出拓也(拓殖大学)
0-2 56分 小野瀬恵亮(拓殖大学)
1-2 60分 安泰永(朝鮮大学校)
1-3 65分 小野瀬恵亮(PK)(拓殖大学)
1-4 76分 小野瀬恵亮(拓殖大学)
2-4 79分 金成純(朝鮮大学校)
取材・文=内藤悠史