日本代表としてグローバルファイナルに参戦している白川(左)と西尾(右)[写真]=NIKE
戦いが激しさを増してきた。現地時間26日、若き才能を発掘することを目的とした世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE ACADEMY MOST WANTED」のグローバルファイナルは2日目を迎えた。世界各国のセレクションを勝ち抜いた合計33名が、FA(イングランドフットボール協会)の本拠地、セント・ジョージズ・パークに集結。ワールドクラスのアカデミー組織「NIKE ACADEMY」入りを懸けて、それぞれのスキルを競い合う。
“日本代表”として参加するのは白川恵士朗(無所属)、西尾翼(東海大学)という19歳のMFだ。2日目は午前中にボール回し、4対4+フリーマンなどのメニューを消化し、午後は20分×3本の紅白戦を実施。2人はともにBチームでプレーした。
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午前中のコーチングセッション。コーチに練習内容を確認する西尾 [写真]=NIKE
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この日はチームメイトと笑顔で会話する白川の姿が見られた [写真]=NIKE
本気でプロを目指す選手たちにとって、紅白戦は気が抜けない戦いだ。試合の前にはそれぞれのチームに分かれて、戦術確認が行われた。「自分が思っていることを話し合おうじゃないか」と語り掛けたのはBチームを率いるパトリック・ギガーニコーチ。各々がアピールのために身勝手なプレーに走ってしまうと、チームプレーが成り立たない。チーム内での役割を考えながら、いかに自分の個性を生かすか。それは、このセレクションのキーワードでもある。短時間ではあったが、ディスカッションすることで互いの理解度を深めた。
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ギガーニコーチからは「自分に自信を持たなければ、誰も信じてくれない」というメッセージが [写真]=NIKE
試合に入ると、それぞれが“らしさ”を見せつけた。白川は勝負したいと語っていたトップ下で先発すると、要注意人物と化す。まずはファーストタッチでいきなりミドルシュートを叩き込みアピール。パスを受けて巧みにタメを作ったかと思えば、鋭いパスで攻撃のスイッチを入れるなど、随所でセンスの良さを発揮した。ひとたびボールを持てば空気が変わる、周囲にそんな印象を与えた。初日はボールに触れる機会が圧倒的に少なく、周囲とのコミュニケーションもそこそこに「(ボールが)来た時にアピールできればいい」と話していた白川。19歳のレフティーはその言葉通りにやってのけた。
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豪快な一発を決め、アピールした白川(中央)。少し照れた表情でチームメイトとハイタッチした [写真]=NIKE
左ウイングで先発した西尾も負けていない。ワンツーから抜け出してチャンスメイクすれば、初日同様に積極的なオフ・ザ・ボールの動きを見せる。豊富な運動量を生かして守備にも貢献し、ボール奪取能力の高さを示した。しかし、その表情は冴えない。「悔しさしか残っていないです。チームに気を遣いすぎて、ケアが多くなってしまった。その分、ワンテンポ遅れて攻撃に参加していたのでボールが回ってくる回数も少なかった。無難なプレーが多くて、不完全燃焼です」。白川の存在も影響しているだろう。戦友であり、ライバルでもある彼の活躍に、こみ上げる思いがあったに違いない。
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攻撃面での反省を口にした西尾だが、セットプレーのキッカーを務めた [写真]=NIKE
最終日は「NIKE ACADEMY」との練習試合に臨む。そこには前回のグローバルファイナルを通過したMF波田野海もアカデミー選手として参加する。白川は紅白戦の2本目で右のひざ裏を痛めたが、「明日で最後なので気合でやります。(今日は)自分の良さを出せたので、楽しみながらやりたい」と意気込む。西尾も「後悔だけはしたくない。自分はもっと面白いプレーができるので、明日はやります」と闘志を燃やした。
泣いても笑っても、ラスト1日。セレクションの勝者となって、夢への第一歩を踏み出すことができるのか。若き“日本代表”のパフォーマンスに期待がかかる。
By サッカーキング編集部
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