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<選手権フォーカス>【桐光学園】“桐光サッカーの申し子”田中雄大 チームを勝たせるために

2016.12.28

“桐光サッカーの申し子”2年生のボランチ田中雄大 [写真]=吉田太郎

 2年連続10回目の高校選手権出場となる桐光学園を率いる鈴木勝大監督は、今年のチームについて「もっと忠実にやらないといけないシーンとかをキチンと抑えていけば、チームとしての完成度は去年よりも高くなると思う」と口にする。

 FW小川航基(現・ジュビロ磐田)やMFイサカ・ゼイン(現・桐蔭横浜大)という強烈な個性がいた昨年ほどのスケール感はないかもしれない。だが、川崎フロンターレ内定で日本高校選抜の大型左SBタビナス・ジェファーソン主将やセレッソ大阪内定の195センチGK茂木秀、日本高校選抜の10番MF鳥海芳樹、U-16日本代表候補歴を持つFW西川公基ら今年も魅力的なタレントを擁し、さらにMF桑原遥ら複数いるバイプレーヤーたちが役割を忠実に実行することで全国16強だった昨年以上と言えるチームを作ってきている。

 プリンスリーグ関東ではJクラブユース勢や強豪校を抑えて2位と強さを証明。そのチームにおいて指揮官が“桐光サッカーの申し子”と評する存在がいる。それは、2年生ボランチ・田中雄大だ。身長は160センチ強と非常に小柄だが、トランジションの速さやテクニックで違いを生み出せる選手であり、ボールを奪うことも、シュートを決めることもできる。鈴木監督も「アイツはウチの空いた穴を修正して、そこから出ていって自分の仕事してくれる」と語るなど、信頼感は絶大。中央、サイドの局面に献身的に顔を出して泥臭い役割を全うしながら、プリンスリーグ関東ではヴァンフォーレ甲府U-18戦や山梨学院戦で決勝点を決め、前橋育英戦で同点弾を突き刺すなど抜群の勝負強さを示している。

 攻守で強烈なインパクトを残して大会の「主役になる」ことを宣言しているタビナスや大会屈指のテクニシャン・鳥海に注目が集まるだろうが、「自分が輝けばチームは必ず勝てる」という田中にも中心選手としてチームを勝たせるという自覚がある。桐光学園の躍進の中心となることで自分の将来の可能性も切り開く意欲。「ボランチでも試合で1、2本チャンスはある。そこ決められるかどうかで上に行けるかどうか決まってくる」と語るように、個人としても結果にこだわるMFが長崎総科大附との大一番となった初戦から攻守両面でその力を発揮して、チームの完成度を高め、桐光学園を頂点へ導く。

取材・文=吉田太郎

By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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