青森山田はGK廣末を中心に堅守を見せ、無失点で勝利した [写真]=瀬藤直美
1つのファインプレーが、ゴールラッシュへとつながった。2日に行われた第95回全国高校サッカー選手権大会2回で、青森山田(青森)は鵬翔(宮崎)と対戦。昨年度のベスト4超え、さらには高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップとの2冠を目指す北の強豪だが、開始わずか3分でピンチに見舞われた。
鵬翔FW宇津元伸弥にスピートでセンターバックの間を突破され、コースを狙った際どいシュートを放たれる。しかし、ここで立ちふさがったのがGK廣末陸(来季FC東京加入内定)。決定的なシュートを片手で見事に弾き返し、ゴールを許さなかった。
「いつもどおり緊張せず、冷静に試合に入れたと思う」
その4分後に生まれた高橋壱晟の先制点を皮切りに、青森山田の攻撃陣が爆発。5つのゴールを重ねた。大量リードを奪った後には鵬翔の攻撃を受ける時間帯もあったが、ここも廣末を中心にディフェンス陣が最後まで粘り強い守備を見せる。青森山田は5-0の完勝で初戦を突破した。
「(失点を)ゼロに抑えられたことが一番良かった」と安堵の表情を見せた廣末。初戦の難しさを感じさせない、盤石の試合運びだった。プレミアリーグEAST、そしてチャンピオンシップで頂点に立った経験が“自信”となり、選手たちの中に蓄積されている。
「自分たちのやり方で結果を出せているので、いつもどおりのプレーが勝利につながる」
3日に行われる3回戦では、個人技を生かした“攻撃的サッカー”が特徴の聖和学園と相まみえる。廣末は「個の技術は相当高いので、一対一で簡単に抜かれてしまうと数的不利になる」と警戒しながらも、「いつもどおり、粘り強い守備ができれば大丈夫」と自信をのぞかせた。
「この大会で優勝するために高校に入った。最後の大会で結果を残したい」
学生最後の大会で悲願を達成するため、青森山田の守護神に油断はない。
文=平柳麻衣
By 平柳麻衣