住永(右)は「日本では届かないところに足が出てきた」とフィジカルの違いを感じたようだった [写真]=ナイキジャパン
「面白かった」。そう言って、キャプテンのMF住永翔は充実した表情を浮かべた。
青森山田高校は現在、イングランド遠征を行っている。18日はイングランドフットボール協会の本拠地であるセント・ジョージズ・パークでプロ養成所「ナイキアカデミー」と対戦。個々の能力が高い相手に対し、組織力を武器に互角の戦いを見せた。
住永は試合前に「組織としての攻撃や守備、パスワークだったりを見せたい。個人のスキルだけではなくて、チーム力でしっかり勝ちに行きたい」と語っていた。実際、全員がフィジカルで上回る相手に怯むことなく、球際での強さを発揮。「こちらがボールを保持すれば、相手は焦って個人個人で動き出す。そこを僕たちが組織で動かせられれば全然怖くない」と連動した守備でしっかりと無失点に抑えた。攻撃面では「ボールに多く触ってテンポを作っていきたい」と言っていた通り、クサビで縦へのスイッチを入れたり、サイドに展開したりと正確なパスで攻撃を組み立てた。
無得点に終わったことについては、「ゴール前の質が足りない。相手がバタついている時もあったのに、そこを突くことができなかった」と反省点を口にしたが、優勝した高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 チャンピオンシップや第95回全国高校サッカー選手権大会で見せてきた“しっかりとゼロで抑える”という戦いができたことには一定の手応えを得た様子だった。
住永は卒業後、明治大学へ進学する。「もちろん、海外には行きたい」。プロ入り、そして世界を見据える住永にとって、世界規模のセレクションを勝ち抜いてアカデミー入りした若き才能たちとの対戦は、大きな刺激になったはずだ。
取材・文=高尾太恵子
By 高尾太恵子
サッカーキング編集部