明治大に進学した住永翔と蓮川壮大(写真左から) [写真]=瀬藤尚美(左)
昨シーズン、高校年代のサッカー界を多いに沸かせた青森山田高校とFC東京U-18のキャプテンが、ともに明治大学に進学した。全国高校サッカー選手権での堂々とした「選手宣誓」で注目を集めた住永翔。FC東京U-18で2冠を達成しただけでなく、明治安田生命J3リーグの出場経験もある蓮川壮大。4年後のプロ入りを目指す注目のルーキーが、高校時代のエピソードや大学サッカーへの抱負を語った。
――まずは自己紹介からお願いします。
住永 北海道出身で、青森山田高校から明治大学来ました、MF住永翔です。
蓮川 東京都出身で、FC東京U-18から明治大に来たDF蓮川壮大です。兄(雄大/現早稲田大学)がFC東京U-18で「ユーディー」と呼ばれていて、それで僕も「ソーディー」と呼ばれたので、明治大でもそう呼ばれるようにしていこうと思っています。
住永 それ、初めて聞きました。僕から広めていきます。
――明治大学体育会サッカー部で活動し始めてしばらく経ちましたが、ここまでで知ったお互いのエピソードを教えてください。
住永 何だろう……。高校時代もプレミア(高円宮杯U-18サッカーリーグプレミアリーグEAST)などで何度も対戦したことはありましたし、もともとお互いのことを全く知らないわけではなかったので。
蓮川 僕はありますよ。こいつ、めちゃくちゃ声がでかいんですよ。さっきも一緒に学校のガイダンスに行ってきたんですけど、みんながヒソヒソ声で話している中、一人だけ普通に大きな声でしゃべっていて。あまり周りの目を気にしないタイプみたいです(笑)。
住永 あれは普通にしゃべってもいい場だと思ったからだよ。そうしたら壮大が話しかけられるのをすごく嫌そうにしていた(笑)。こいつは結構気にしちゃうタイプみたいです。
■レベルアップするためにここに来た(住永)
――高校時代は二人ともキャプテンを務めていましたが、そういった性格面も含めて、全くタイプの違うキャプテンだったのでしょうか?
蓮川 翔は本当にしっかりしているキャプテンですね。僕はサッカー以外ではあまり厳しいことは言わないんですけど。
住永 今も明治大のミーティングとかで、結構自分の意見をはっきり言います。
蓮川 でも、明治大の今年の一年生って半分くらいがキャプテン経験者なんですよ。だから学年ミーティングの時とかみんなが意見を言おうとするから、ちょっと面倒くさいなって思います(笑)。
――二人とも寮生活を送っていますが、明治大の印象はいかがですか(取材は4月4日に実施)?
住永 授業がまだ始まっていないので、学校の様子などはあまり分からないですが、サッカーのレベルはすごく高いなと日々の練習の中で感じています。ここで練習をしていれば、間違いなく自分は成長できるだろうなと思います。寮生活については、練習参加した時にも寮の中は見ていますし、サッカーをするため、レベルアップするためにここに来ました。そのためにしっかりと心の準備をしてきたので、改めて驚くようなことはないですね。
蓮川 本当に真面目ですよね(笑)。僕はサッカーに真剣に取り組むのはもちろんですが、せっかく大学生になったので、サッカー以外にも様々なことに興味を持って、人としての成長も目指していきたいなと思っています。
■僕はFC東京に戻ることが目標(蓮川)
――お二人は仲が良いのですか?
住永 仲は良いです。学科も同じなので、これから授業などでも一緒に過ごす時間が多くなると思います。
蓮川 僕、一つ言ってもいいですか? 翔とのエピソードがあって……。
住永 うわっ、それ言う?(笑)。
蓮川 昨年のプレミアリーグ最終節で青森山田と対戦して、終了間際に僕が相手選手を倒してPKを与えてしまい、0-1で負けてチャンピオンシップ(高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグチャンピオンシップ)進出を逃したんですよ。それで3冠目も逃してしまい、僕が試合後にめっちゃ泣いていたところ、翔が近寄ってきて、「また明治大で一緒に頑張ろう、こうだい」って言ったんです。
住永 (笑)。
蓮川 しかも一回じゃなくて、何回も「こうだい、こうだい」って言ったんですよ。
住永 「壮大」って分かっていたはずなのに、何で間違えたんだろう? その後、FC東京の選手も近寄ってきて、「壮大」って呼んでいるのを聞いて、「あれ、こいつ壮大だった」って気づいたんです(笑)。
――蓮川選手はその場でつっこまなかったのですか?
蓮川 泣いているのに「違うけど」って言うのもおかしいじゃないですか!(笑)。でも、だんだんおかしくなってきちゃって、涙も引きました(笑)。その後、明治大に来て最初の学年ミーティングで、「あの時のこと、覚えているよ」と言ってやりました。
住永 やっぱり言われた方は覚えているんですね(笑)。僕も忘れてはいなかったけど。
――そのプレミアリーグの後、住永選手はチャンピオンシップと全国高校サッカー選手権大会の優勝を経験しましたね。
蓮川 すごかったですよね。やっぱり選手権はJユースの大会と比べものにならないくらい盛り上がるので、いいなと思って見ていました。Jユースもレベルは高いですし、プレミアの最終節では小平グラウンドに1000人を超える観客が集まりました。これからはもっとたくさんの人にJユースも見に行ってほしいです。これは何度でも言い続けていきます!
――同年代では高卒でプロになった選手もいますが、彼らの活躍に刺激を受けていますか?
住永 すごく刺激を受けています。青森山田でチームメイトだった(高橋)壱晟(現ジェフユナイテッド千葉)や、札幌(北海道コンサドーレ札幌U-15)で一緒にやっていた菅大輝ももうプロで試合に出ていますし、彼らの活躍は気にしています。僕も4年後にプロになって追いつけるように、これから明治大で頑張っていきたいと思います。
蓮川 僕も同年代の活躍は気にしています。原輝綺(市立船橋高出身/現アルビレックス新潟)など、レギュラーに定着している選手もいますし。僕はFC東京に戻ることが目標なので、そのためにここで成長していきたいと思います。