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【注目ルーキー】鹿島学園出身の法政大FW上田綺世、「得点感覚はチームで一番」の声も

2017.05.06

ゴールを喜ぶ上田とチームメイト [写真]=平山孝志

 鹿島学園高校のエースから、法政大学で“絶対的”な存在へ。4年後のプロ入りを目指す注目のストライカー、上田綺世が大学初ゴールをマークした。

 3日に行われたJR東日本カップ2017第91回関東大学サッカーリーグ戦第3節の明治大学戦、1-1の同点で迎えた73分に途中出場した上田。相手に押し込まれる時間帯が続く中、後半アディショナルタイムに訪れたカウンターのチャンスを確実に仕留めた。渡辺淳揮からの浮き球のボールに一瞬で抜け出し、右足一閃。「自分のストロングポイントであるスピードなどを生かしてこいと言われて、出たボールには全部走るぐらいの気持ちでやっていた。そうしたら良いボールが来たので、あとは自分を信じてシュートを打つだけだった」。ルーキーの鮮やかなゴールにより、チームは劇的な逆転勝利を飾った。

 高校時代は鹿島学園の“絶対的エース”として名を馳せた上田。昨冬の全国高校サッカー選手権大会では、1回戦の高川学園高校戦で2ゴールをマークし、チームに逆転勝利をもたらしたことが記憶に新しい。

 しかし、高校時代の実績があっても、新しい環境となれば一から信頼関係を築かなければならない。高校サッカーと大学サッカーでは、フィジカルやスピードなどにも大きな差がある。また、高校での最上級生から一転、大学では一番年下からのスタート。この「立場の逆転」という大きな変化を経た現在の状況について、上田は戸惑うよりも「楽しい」と語った。

「高校の時はとにかく『自分がやらないと』という感じだったけど、大学では『絶対に自分が必要とは限らない』という状況。今はいかに自分をチームにとって必要なものにするかを常々考えているので、すごく楽しい」

 この春に入学したばかりだが、すでに周囲からの期待は大きい。キャプテンの関口亮助は「得点感覚はチームの中でナンバーワンぐらい。慣れてきたら化けると思う」と上田が持つ能力の高さを称賛。長山一也監督は、「ポジショニングなどを改善すれば、もっと彼の良さが生きると思う。もっとできる選手だと思うし、大学の中でトップクラスの選手になる可能性を持っている」と、さらなる成長を待望している。

 大学で確かな実績を残し、プロの世界へ。「やっぱり大学でも自分が活躍できるようになっていきたい。プロになるために大学に来たので。守備もして攻撃もできて、チームに必要なすべての仕事ができる、オールマイティな選手になりたい」。計り知れないポテンシャルを秘めた大物ルーキーは、これからどんな成長曲線を描いていくのか。目標に向かって、上田はぶれずに突き進む。

文=平柳麻衣

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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