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5年目の“ジュニア最高峰の戦い”が開幕! バルサが連覇へ好発進/U-12ジュニアチャレンジ2017

2017.08.25

バルセロナvs鳥栖の模様 [写真]=本田好伸

 8月24日、『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2017』が開幕。5回目を迎える今年は、FCバルセロナ(スペイン)、アーセナルFC(イングランド)、ダニーデン・テクニカル(ニュージーランド)、広州富力足球倶楽部(中国)、パテアドーレス(アメリカ)といった世界各国の強豪クラブ、ワールドチャレンジ街クラブ選抜など、過去最多の24チームが参加。大会初日は、4チームずつ6グループに分かれて予選リーグを行った。

 今大会は、紛れもなくジュニア年代最高峰の戦い。過去の4大会中、3回の優勝を誇るバルセロナは、7人制から11人制に切り替わるこの時期の大会を重視し、毎年、世界のトッププレーヤーを目指す主力選手たちをそろえて参加している。バルセロナといえば、カンテラ(育成組織)から、リオネル・メッシやシャビ、アンドレス・イニエスタを始めとする世界的な選手を輩出してきたことでも知られるが、第1回大会でMVPを獲得したエリック・ガルシア・マルトレットは16歳の現在、クラブを移り、マンチェスター・Cのユースカテゴリーで活躍するなど、今大会を経験した選手たちは、順調にトップ選手への道を歩んでいる。

 大会に参加するJリーグクラブ予選を勝ち上がった育成組織や街クラブの選手にとっても、“世界基準”を肌で感じられる舞台であり、格好のアピールの場でもある。子供たちは、いつも以上に高いモチベーションを持ってこの大会に挑んでいる。と同時に、そうしたジュニア年代のハイレベルな争いが見られることで大会のファンも多く、予選会場のヴェルディグラウンド(東京都)には、今年も多くの観客が詰め掛けた。

 迎えたオープニングゲーム。今大会も主役はバルセロナだった。清水エスパルスU-12を相手に2-1で試合を折り返すと、20分ハーフの後半も3点を加えて5-1で勝利。選手個々の技術の高さを披露した。バルセロナはこの日、2試合を消化。続くサガン鳥栖U-12との試合でも、先制して迎えた前半16分、アマドゥ・バルデがCKから長身を生かした豪快なヘディングで追加点。大会連覇へ向けて、幸先良く連勝スタートを飾った。

 ただし、その他の海外勢にとっては力を示しきれない初日となった。1試合を消化したアーセナルは、鹿島アントラーズジュニアを相手に試合終盤にウィル・ランクシェアのゴールで先制したが、終了間際に失点。初戦を引き分けで終えた。ダニーデンはコンディション調整の難しい今大会だった。ニュージーランドは年間を通して温暖な気候にあるものの、現在は日中平均気温が15℃前後の冬にあたる季節。この日、34℃、湿度80%を記録した東京の気候は彼らには厳しく、試合を通して高いパフォーマンスを維持できずに連敗を喫した。

 広州富力は、柏レイソルU-12との初戦を1-0で逃げ切ったものの、続くガンバ大阪ジュニアとの2戦目は0-2で敗戦。球際の強さを見せた一方で、G大阪の総合力の高さの前に屈してしまった。1試合を消化したパテアードスも、前回大会ベスト4の川崎フロンターレU-12を相手に苦戦。0-2で迎えた後半、31分にサーベルタ・ブライアンのゴールで1点を返したものの、追加点を奪えないまま初戦を落とした。

 日本勢の躍動が目立つ大会初日、その中でも特に高いパフォーマンスを示したのは、第2回、第3回大会で準優勝の東京都U-12。都内の優秀な選手をそろえる選抜チームは、ダニーデン、バディサッカークラブを相手に、ともに7-0で圧倒。最多14ゴールで、初優勝に向けて好スタートを切った。

 今年も大会を前に、東京、大阪、熊本の全国3カ所でセレクションを開催。300名以上の参加者の中から選ばれた24名がワールドチャレンジ 街クラブ選抜としてグループリーグに参加した。さらに、55名が「大和ハウスFUTURES」(監督:中西哲生)、「大和ハウスDREAMS」(監督:鈴木隆行)として、海外招待チームとのエキシビションマッチのメンバーに選ばれた。初日は、大和ハウスFUTURES」がアーセナルと対戦。1-3で敗れたものの、試合を通して選手は個々に高いスキルを披露し、相手を押し込む場面も見られた。

 大会2日目の25日(金)も、ヴェルディグラウンドで予選リーグの残り試合が行われる。

■『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2017』第1日目結果

●グループA
FCバルセロナ 5-1 清水エスパルスU-12
サガン鳥栖U-12 4-0 ワールドチャレンジ 街クラブ選抜
FCバルセロナ 2-0 サガン鳥栖U-12
清水エスパルスU-12 0-2 ワールドチャレンジ 街クラブ選抜

●グループB
ダニーデン・テクニカル 0-7 東京都U-12
湘南ベルマーレスクール選抜 4-0 バディサッカークラブ
ダニーデン・テクニカル 1-2 湘南ベルマーレスクール選抜
東京都U-12 7-0 バディサッカークラブ

●グループC
広州富力足球倶楽部 1-0 柏レイソルU-12
ガンバ大阪ジュニア 3-1 アイリスFC住吉
広州富力足球倶楽部 0-2 ガンバ大阪ジュニア
柏レイソルU-12 2-0 アイリスFC住吉

●グループD
大宮アルディージャジュニア 1-0 東京ヴェルディジュニア
名古屋グランパスU-12 5-1 スクエア富山FC U-12
大宮アルディージャジュニア 2-2 名古屋グランパスU-12
東京ヴェルディジュニア 5-1 スクエア富山FC U-12

●グループE
アーセナルFC 1-1 鹿島アントラーズジュニア
松本山雅FC U-12 0-2 福山ローザス・セレソン

●グループF
パテアドーレス 1-2 川崎フロンターレU-12
SOLTILO WORLD SELECT 4-0 ACジュニオール

取材・文・写真=本田好伸

By 本田好伸

1984年10月31日生まれ。山梨県甲府市出身。日本ジャーナリスト専門学校⇒編集プロダクション⇒フットサル専門誌⇒2011年からフリーとなりライター&エディター&カメラマンとして活動。元ROOTS編集長。2022年から株式会社ウニベルサーレ所属。『SAL』や『WHITE BOARD SPORTS』などに寄稿。

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