筑波大、歴代最多勝利・勝ち点で関東1部制覇…順天堂大撃破で有終の美

筑波大が“史上最強”優勝を果たした [写真]=内藤悠史

 JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦1部 第22節(最終節)が19日に行われ、味の素フィールド西が丘では首位・筑波大学と2位・順天堂大学が対戦。前節で優勝を決めた筑波大が3-2と打ち合いを制し、有終の美を飾った。

 第21節終了時点で勝ち点「51」を積み上げ、13年ぶり15回目の優勝を決めた筑波大。19日に単独開催となった最終節では、2位・順天堂大と対戦した。“優勝決定戦”は実現しなかったが、2500名超が足を運んだ味フィ西で、関東大学リーグを代表する両雄が大会最後の90分に臨んだ。

 先手を取ったのは順天堂大だった。10分、敵陣中央でボールを持ったFW旗手怜央(2年)がドリブルで加速し、右足を一閃。軌道が変化した強烈な“ブレ球”がゴールに突き刺さり、均衡を破った。筑波大の小井土正亮監督は「あれが旗手くんの個の力だと思う」と脱帽。2年生ストライカーが今季13得点目を挙げ、順天堂大が先制した。

順天堂大FW旗手怜央(中央)が先制ゴールを挙げて拳を突き上げる [写真]=内藤悠史

 ビハインドを負った筑波大はFW中野誠也(4年/ジュビロ磐田加入内定)が最終ラインの背後を狙った動き出しでパスを引き出すが、決定機には至らない。それでも43分、MF西澤健太(3年)がシュートのこぼれ球を押し込んで同点に追い付くと、45分にはDF鈴木大誠(3年)が右CKから打点の高いヘディングシュートを突き刺し、3分間での2得点で逆転に成功した。前半は2-1で終了した。

ヘディングシュートを決めた筑波大DF鈴木大誠(中央) [写真]=内藤悠史

 1点ビハインドで後半を迎えた順天堂大も意地を見せる。54分、スルーパスに反応したFW旗手がペナルティーエリア右側から右足シュートを決め、2-2の同点に。互いの意地がぶつかり合う、白熱の打ち合いとなった。58分には筑波大がPKのチャンスを得たものの、FW中野のシュートはGK佐藤久弥(1年)が的確な読みでセーブ。FW中野は今季20得点で、リーグ新記録樹立まで「1」と迫っていたが、絶好機を活かすことができなかった。

 筑波大は77分、MF松村遼(4年)とMF浅岡大貴(4年)を同時投入。中盤の陣容に変化を施すと、直後に決勝ゴールが生まれた。MF松村が右サイドでパスを受けると、ボールを背後に流して反転。マークを振り切り、縦へと突破する。中央へのパスを受けたMF西澤がペナルティーエリア右手前から右足を振り抜くと、鮮やかな右足ミドルシュートがゴールに吸い込まれた。

 試合は3-2で終了。筑波大が最終節を制し、優勝に花を添えた。今季の勝利数「17」と勝ち点「54」はいずれも、全22試合の現行制度(2005年導入)における歴代最高記録。筑波大が“史上最強”の称号に手にし、今季の関東大学リーグは幕を閉じた。

筑波大が最終節を勝利で締めくくった [写真]=内藤悠史

【スコア】
筑波大学 3-2 順天堂大学

【得点者】
0-1 10分 旗手怜央(順天堂大学)
1-1 43分 西澤健太(筑波大学)
2-1 45分 鈴木大誠(筑波大学)
2-2 54分 旗手怜央(順天堂大学)
3-2 78分 西澤健太(筑波大学)

■関東大学リーグ1部最終順位表
1位 筑波大学(勝ち点54/得失点差38)※13年ぶり15回目の優勝
2位 順天堂大学(勝ち点47/得失点差13)
3位 流通経済大学(勝ち点41/得失点差7)
4位 明治大学(勝ち点32/得失点差2)
5位 法政大学(勝ち点31/得失点差1)
6位 東京国際大学(勝ち点31/得失点差-3)
======インカレ出場権獲得決定======
7位 桐蔭横浜大学(勝ち点26/得失点差-6)
8位 東洋大学(勝ち点25/得失点差0)
9位 駒澤大学(勝ち点23/得失点差-5)
10位 専修大学(勝ち点21/得失点差-9)
========2部降格決定=========
11位 日本体育大学(勝ち点21/得失点差-18)
12位 慶應義塾大学(勝ち点20/得失点差-20)

取材・文=内藤悠史

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