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【2022年大会】鹿島つくばジュニアが初の関東王者に!【JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN関東】

2022.04.18

鹿島アントラーズつくばジュニア

 4月9日および10日、群馬県前橋市のコーエイ前橋フットボールセンターで『2022 JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN 関東』が行われた。

 群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県、山梨県、東京都、埼玉県から各2チームの合計16チームが参加。9日は4チームずつ4組に分かれてのグループステージが、10日には順位決定トーナメントが実施された。2日間とも晴天に恵まれ、4月とは思えないほど強く照り付ける太陽の下で各ピッチでも熱戦が繰り広げられ、鹿島アントラーズつくばジュニア(茨城県)と横浜F・マリノスプライマリー(神奈川県)が決勝へと駒を進めた。

 鹿島つくばジュニアはグループステージを2勝1分けの1位で通過すると、準々決勝では東京ヴェルディジュニア(東京都)に1-0、準決勝ではFC VALON(栃木県)に4-0と勝利し、初の決勝進出を果たした。一方の横浜FMプライマリーはグループステージを2勝1敗の2位通過ながら、準々決勝では柏レイソルA.A.TOR ‘82(千葉県)に0-1、準決勝では柏レイソルU-12(千葉県)とのシーソーゲームを1-2と制して勝ち上がった。

 この大会は通常のサッカーの試合とは異なり、12分3ピリオド制で行われる。第1ピリオド、第2ピリオドはそれぞれ特定の8人がプレーし、5分間のインターバルを経て行われる第3ピリオドでは、第1、第2ピリオド両方に出場した選手を除く選手が出場し、途中交代も可能になる。鹿島つくばジュニアの中野洋司監督は「選手間で競争させるためにメンバーは固定せず、前の試合での疲労度や対戦相手を考慮しながら入れ替えています」、横浜FMプライマリーの土井孝徳監督は「第1ピリオド、第2ピリオドは基本的にはメンバーを固定しています」と、決勝に勝ち進んだ両チームはそれぞれ異なるアプローチで大会に挑んでいた。

 迎えた決勝は、立ち上がりこそ両チームともに慎重な入りだったが、その後、鹿島つくばジュニアがペースをつかむ。「プレッシャーをどんどんかけて、ゴールを目指すための守備をやるのがアントラーズのスタイル」と中野監督が語るように、前線から積極的にプレスをかけながら相手を押し込んでいく。3分には左サイドを突破した佐藤快翔のクロスからゴール前で混戦になり、最後は宮田斗碧が押し込み先制。さらに8分、今度は柿沼伶音が左サイドを切り裂きクロス。これが相手のオウンゴールを誘い、リードを広げる。

 第2ピリオドから登場し、最終ラインで巧みな守備を見せた鹿島つくばジュニアの布袋田結太は「2点目が決まった時に『あとは自分たちが守るだけ』という感じで気合が入った」とこの2点を振り返り、一方で横浜FMプライマリーの土井監督は「失点後に2点目を許さない粘り強さや同点を狙うしたたかさが必要だった」と語っている。結果的にはこの2点が鹿島つくばジュニアの優勢を決定づけた。第2ピリオドは横浜FMプライマリーが反撃を企てたものの、鹿島つくばジュニアは全員がハードワークをこなして相手に決定的な場面を作らせず、2点リードを維持したまま時計を進める。

 迎えた第3ピリオドの開始2分、鹿島つくばジュニアの茂呂創が相手DFとの1対1を制して右足の強烈なシュートを叩き込み、リードをさらに広げる。「あの3点目で自分たちの心に火が入った」と布袋田が語ったように、鹿島つくばジュニアは最後まで運動量を落とすことなく相手にプレスをかけ続け、初の関東チャンピオンの座に就いた。

 決勝と同時刻に行われていた3位決定戦では、柏U-12がFC VALONに3-1で勝利。優勝した鹿島つくばジュニア、準優勝の横浜FMプライマリー、3位の柏U-12は、5月3日から5日に日産スタジアムなどで行われる「JA全農杯 全国小学生選抜サッカー決勝大会」に関東代表として出場する。

推進力のあるドリブル突破で決勝の2点目を演出した鹿島つくばジュニアの柿沼伶音は「この優勝を自信にして、決勝大会ではもっと走ってドリブルで抜きたい」と力強く語り、横浜FMプライマリーの土井監督は“ホーム”の横浜で戦える決勝大会に向けて「全国大会でどれだけ成長したかを示してほしいし、決勝まで行きたいです」と再起を誓った。

 また、会場にはJA全農杯 大会アンバサダーの北澤豪さんが来訪。「ジュニア年代の試合は見ていて本当に楽しいですよね」と選手たちのプレーを熱心に目で追い、「アントラーズとして、F・マリノスとしてどう戦うか、という教えがしっかり浸透していながら、個性を伸ばす指導も受けているな、という印象でした」と決勝の感想を語ってくれた。

▼ 北澤豪さん(JA全農杯 大会アンバサダー)
決勝戦は、決勝であることを意識して戦っている感じがしました。勝ちたいという気持ちが動きの堅さに繋がっていた部分もあったと思います。それでも、横浜FMプライマリーには瞬間的なテクニックを駆使して、小さいスペースでも前を向ける子がいましたし、アントラーズの子たちは前を向いた時のパスやシュートの選択がすぐにできるので、鋭さに繋がっていますよね。決勝を戦った2チーム以外ではFC TRIANELLO Machidaが印象的でした。相手を引きつけてから抜く時の体の使い方がうまくて、将来、必要になるものをこの世代で身につけているという印象を受けました。

▼ 中野洋司監督(鹿島アントラーズつくばジュニア)コメント
暑い中での試合だったので選手にとっては厳しいかな、と思っていましたが、ハードに戦ってくれました。最初はちょっと動きが硬かった部分もありました。試合をこなすごとに前に出られるようになり、個ではがす、前に運んでいく、ゴールが空いていれば狙うという我々が目指すべきものが、最後は少しずつ発揮することができたと思います。決勝大会に向けてさらにモチベーションを高めて取り組むことができるので、そこに向けての準備期間を個人の成長につなげてほしいですし、勝利にこだわりつつ、全国大会での成長にも期待しています。

▼ 布袋田結太(鹿島アントラーズつくばジュニア No.4)コメント
率直に、とてもうれしいです。チーム一丸となって勝ち取ることができた優勝だと思います。初戦は緊張でみんな足が動いていなかったし、ウォーミングアップをしっかりやっておけばもっと機敏に動けていたと思うので、そこは反省するところです。決勝大会に向けてチーム全体でパスの質を高めたいですし、スタミナが一番の課題だと実感しました。みんなで最後まで走り切れるようになっていきたいです。

▼ 柿沼伶音(鹿島アントラーズつくばジュニア No.5)コメント
この大会のために一生懸命練習してきて、それを発揮して優勝できたのでよかったです。今日はチームのために点を取りたいと思っていました。準々決勝と準決勝は点を取れなかったんですけど、決勝戦はちょっと活躍できたのでうれしかったです。でも、最初の2点は相手のミス絡みだったので、あまり納得はできていません。決勝大会ではこの大会での優勝を自信にして、大差をつけて勝ち上がっていきたいです。もっと走って、ドリブルで相手を抜けるように努力していきたいです。

▼ 土井孝徳監督(横浜F・マリノスプライマリー)コメント
気温が高く、タフに戦わなければいけない状況でしたが、選手にとってはいい経験になったと思います。3ピリオド制で全員が長い時間プレーできるこの大会は、チームがまとまるチャンスだと思っています。決勝はもう少しできたかな、と思います。失点の仕方があまり良くなかったので、失点後に2点目を許さない粘り強さや同点を狙うしたたかさが必要でした。決勝大会はホームの日産スタジアムでできるように勝ち上がりたいです。今回のようなレベルの高い大会でできなかったことや課題があると思うので、それを一つひとつ克服していって、それぞれがレベルアップして臨みたいと思います。

取材・文=池田敏明

全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施。

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