[写真]=Getty Images
JFAアカデミーとは、日本サッカー協会が設立したサッカー選手のエリート教育機関である。2006年にJFAアカデミー福島が誕生し、熊本宇城、堺、今治にも設立された。
中でもJFAアカデミー福島はこれまで数多くのJリーガー、WEリーガーを輩出し、近年では直接海外へ渡る選手もいる。今回はJFAアカデミー福島出身で現在世界の舞台で活躍する5人の選手を紹介する。
三戸舜介(みと・しゅんすけ)
ポジション:MF
生年月日:2002年9月28日(22歳)
出身:山口県
所属クラブ遍歴:JFAアカデミー福島→アルビレックス新潟→スパルタ・ロッテルダム(オランダ)
JFAアカデミー福島10期生。卒業後はアルビレックス新潟に加入した。プロ初年度からコンスタントに出場を続け、2022年は24試合6得点2アシストの活躍で新潟のJ1昇格・J2優勝に貢献した。2023年はJ1でも得意のドリブルを生かしたプレーで席巻し、ベストヤングプレーヤー賞を受賞している。その後、オランダのスパルタ・ロッテルダムへ移籍した。パリオリンピックにも出場し、パラグアイ戦では2得点を決め鮮烈なインパクトを残した。
松田隼風(まつだ・はやて)
ポジション:DF
生年月日:2003年10月2日(21歳)
出身:北海道
所属クラブ:JFAアカデミー福島→水戸ホーリーホック→ハノーファーII(ドイツ)
JFAアカデミー福島11期生。利き足の左足から放たれる精度の高いクロスと豊富な運動量が武器の左サイドバックで、世代別代表に幾度も選出され数々の国際舞台も経験している。卒業後は水戸ホーリーホックに加入した。2022年から約1年半プレーし、水戸が育成業務提携を結ぶドイツのハノーファーへ移籍。現在は23歳以下の若手選手が主体のハノーファーII(ドイツ3部)に在籍し、トップチームデビューを目指し日々成長を続けている。
松窪真心(まつくぼ・まなか)
ポジション:FW
生年月日:2004年7月28日(20歳)
出身:鹿児島県
所属クラブ遍歴:JFAアカデミー福島→マイナビ仙台レディース→ノースカロライナ・カレッジ(アメリカ)
JFAアカデミー福島12期生。JFAアカデミー福島はなでしこリーグに加盟しており、在学中の2021年になでしこリーグ2部で得点王と年間最優秀選手(MVP)の個人二冠を達成した。WEリーグのマイナビ仙台レディースでプレーし、その後アメリカのノースカロライナ・カレッジへ移籍。持ち味のスピードを生かしたプレーで得点を量産し続けている。今年2月に行われた2025 SheBelieves Cupで待望のなでしこジャパンデビューを飾った。
古賀塔子(こが・とうこ)
ポジション:DF
生年月日:2006年1月6日(19歳)
出身:大阪府
所属クラブ遍歴:JFAアカデミー福島→フェイエノールト(オランダ)
JFAアカデミー福島13期生。卒業後はオランダのフェイエノールトに加入した。JFAアカデミー福島在学中、17歳の若さで2022年のアジア競技大会の日本女子代表に選出され、大きなインパクトを残した。高い身体能力を生かした守備対応と複数ポジションをこなす万能性が持ち味のDFだ。 今年2月に行われた2025 SheBelieves Cupでは全3試合に出場。強豪アメリカ女子代表との最終戦では、途中出場から値千金のゴールをマークし、日本を初優勝に導いた。
谷川萌々子(たにかわ・ももこ)
ポジション:MF
生年月日:2005年5月7日(19歳)
出身:愛知県
所属クラブ遍歴:JFAアカデミー福島→ローゼンゴード(スウェーデン)→バイエルン(ドイツ)
JFAアカデミー福島13期生。卒業後はドイツのバイエルンに加入した。2023年はスウェーデンのローゼンゴードに期限付きで移籍すると、ボランチながら20試合16得点という驚異的な決定力で得点王に輝いた。チームの優勝を置き土産に、2025年1月からバイエルンに復帰している。2023年になでしこジャパンデビューを飾り、パリオリンピックのブラジル戦では、後半アディショナルタイムに日本を劇的勝利に導くスーパーゴールを決めた。
JFAアカデミーとスポーツくじの助成金
JFAアカデミーのフィロソフィーは「常に(どんなときでも、日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」だ。「世界トップ10を目指した個の育成」「世界基準を日常に」をキーワードとし、生徒たちは志の高い仲間たちと日々切磋琢磨しながらアカデミー生活を送る。
競技面では“世界基準”を育成の段階から意識し、常にグローバルな視野を持ちながら活動している。語学スキルを身につけるための英会話プログラムをはじめ、海外遠征や海外個人研修を通じて海外クラブと交流する機会が提供されている。若い年代から国際舞台で経験を積むことが可能だ。また情報伝達の手段として広く用いられている「5W1H」の手法を日常生活から取り入れ習慣化することで、変化が激しいピッチ上でも迅速に考え、実行できるコミュニケーションスキルを発揮できるようになる。このような取り組みの成果もあり、前述の5選手に加え、なでしこジャパンとして活躍するDF守屋都弥(エンジェル・シティFC/アメリカ/4期生)やDF北川ひかる(BKヘッケン/スウェーデン/5期生)ら世界の舞台で活躍する選手たちを多数輩出。また人間的な面の教育も重視し、ピッチ内外でリードしていける世界基準の人材育成を目指している。
JFAアカデミー福島の運営には、スポーツくじの助成金が活用されている。スポーツくじとは、サッカーやバスケの試合結果が的中すれば当せん金を得られるくじのこと。サッカーでは複数の試合結果を予想する『toto』、予想不要で高額当せんが狙える『BIG』、1試合のスコアを予想する『WINNER』と大きく分けて3種類あり、好みに合わせて対象のJリーグや海外サッカーをより楽しむことができる。
上記の図の通り、スポーツくじを購入することは日本のスポーツの未来を育てることにもつながっている。売上金から当せん払戻金などを差し引いた収益の2/3が日本のスポーツ環境を整備する財源となる。JFAアカデミーのようなトップクラスの選手育成に加えて、誰もが気軽に楽しめるスポーツ教室や大会の開催、地域のスポーツ施設の整備など、スポーツくじの助成金は、地方公共団体やスポーツ団体が行うスポーツの振興を目的とする事業に役立てられている。また、サッカーファンにはおなじみのパナソニックスタジアム吹田やサンガスタジアム by KYOCERAといったスタジアムは、スポーツくじの助成金を受けて整備されたものだ。
スポーツくじの収益による助成は2002年から開始され、総額は約2,668億円(※2024年5月時点。2024年度の助成金は配分額)。スポーツくじは、今やスポーツの普及と発展には欠かせない仕組みとなっている。そして、“世界基準”の人材育成を通じてサッカー界の発展を支えるJFAアカデミーの活動に今後も注目だ。
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By サッカーキング編集部
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