プーマが最新スパイク「トリックス」の発表イベントをロンドンで開催…セスクとファルカオが登場

　ドイツの大手スポーツメーカー、プーマは20日、イギリスのロンドンで最新のスパイク「トリックス」を発表した。左右にそれぞれイエローとピンクという別々の配色を施した同スパイクは、「エヴォパワー」と「エヴォスピード」の2つのモデルで展開される。

　トリックスは、1998年フランス・ワールドカップでカメルーン代表DFリゴベール・ソングが自ら左右別色のスパイク（プーマ・キングのレッドとイエロー）を着用したことから発想を得ており、「PlayLoud＝目立て」というスローガンも、当時ソングが述べた「大胆でなければ、左右異なる色のスパイクは履けない」という名言を基にしたとされる。

カメルーン代表のソングは98年のW杯で左右別カラーのスパイクを着用してピッチに立った

　今回のイベントでは、冒頭に現役当時アーセナルやバルセロナで活躍した元フランス代表FWティエリ・アンリがゲスト出演し、トリックスのスローガンである「PlayLoud」という言葉を巧みに操りながら次のように語ってくれた。

　「新作のスパイクを見て強い印象を受けたのは、なんと言ってもこの色だ。今の世代の選手たちはインスタグラムやツイッターなどのソーシャルメディアで少しでも目立とうとするし、それはピッチ上でも同じこと。彼らは流行に敏感だし、目立つことが彼らのモチベーションとなる。このトリックスを履いてピッチ上で活躍する選手がたくさん出てくることだろう」

「トリックス」の新作は「エヴォパワー」（左）と「エヴォスピード」（右）の2つのモデルで展開

　「このスパイクのルーツは、98年ワールドカップに出場したカメルーン代表のソングにある。当時は彼にしかできないスタイルだった。あのスタイルがその後のカメルーンやプーマの奇抜なユニフォーム（コンプレッション性のものやワンピースのもの）に繋がっていったし、影響力の大きいものになった。当時のインパクトはかなり強かったし、世界中が注目していた。2014年のワールドカップでも、前作のスパイクを履いて活躍する選手が目立っていた。今年の国際大会でもそうした選手たちの活躍に期待したい」

　2014年の初期シリーズ発表以来、同スパイクは改良と共に毎年進化を遂げてきたが、アンリも述べた通り、今回の最大の特徴は鮮やかな蛍光色のイエローとピンクを施した点にある。それ以外にも、素材が日本製であるほか、ドイツの大学の協力を得て研究された靴底のスタッド部位の配置などにも改良が加えられている。

　「エヴォパワー」は、素足でボールを感じられるようなスパイクで、その柔軟な素材がキック力を増幅させる一方、「エヴォスピード」は薄型軽量で選手の俊敏性、足元の操作性を促進させる作りになっている。エヴォスピードはFWや攻撃的MF向け、エヴォパワーは守備的MF、DF向けといったところか。

　発表に際し、マンチェスター・シティのアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロは、「トリックスは僕のプレースタイルに完全にマッチしたスパイクだ。特に僕が履いているエヴォスピードは大好きだし、すごく軽くてまるで履いてないみたい感覚だ」と語ると、エヴォパワーを愛用するチェルシーのスペイン代表MFセスク・ファブレガスは、「プーマは夏の国際大会に向けて、またすごいものを作った。大胆な2色のスパイクをね。僕はスペイン代表としてユーロに参加できるのを誇りに思うし、大会でこのスパイクを履いて目立つのが待ちきれないよ」と、期待感を込めている。

ロンドンで行われたイベントではキックターゲットなどさまざまなアクティビティが行われた

　今回のイベントには、プーマと専属契約を結ぶ前述のセスクのほか、チェルシーのコロンビア代表FWラダメル・ファルカオがメディア関係者とのブランドPRアクティビティに参加。同選手らも参加したアクティビティの一つ、キックターゲットでは、新作の配色であるピンクとイエローのペンキが入ったペットボトルが白い壁に吊るされ、それを狙い撃って壁を2色に染めるというアート性の高い巧みな演出も印象的だった。

　プーマの新作トリックスは、前述のエヴォパワー1.3、エヴォスピード1.5、エヴォスピードSLのほか、2色を基調としたトリックス関連のアパレル商品やボールなど、4月21日から全世界同時発売される。なお、日本では4月21日より予約が開始され、同29日よりプーマ取扱店で一斉販売される予定。