5月10日、アディダスはフットウェアの新シリーズ『302 REDIRECT(リダイレクト)』を発表した。今回もプレーヤーの特徴を最大限引き出す4つのフランチャイズが登場。コントロールの『PREDATOR(プレデター)』、スピードの『X(エックス)』、ボールタッチの『COPA(コパ)』などがラインナップされた。そして、今回のシリーズで最大の目玉となるのが、『NEMEZIZ(ネメシス)』だ。同フランチャイズはアジリティを強化するフットウェアで、リオネル・メッシ、ロベルト・フィルミーノ、南野拓実、中島翔哉らが着用している。
本作のリリースに先駆け、アディダスはドイツのヘルツォーゲンアウラハにある本社で『NEMEZIZ 19』のお披露目会を開催。ドイツ、ロシア、日本、スペイン、フランス、イギリス、アメリカのメディアが招待され、ぞの全貌が明らかになった。
NEMEZIZルームで明らかになった新作のテクノロジー
レッドに彩られ、象徴的なモニュメントが展示された「NEMEZI ROOM」。本社内に設けられたこの一室で、『NEMEZIZ 19』のプレゼンが行われた。
新しいNEMEZIZを紐解くキーワードは4つ、「TORCION」「COMPRESSION」「TENSION」「360°AGILITY」だ。最高のテクノロジーを実現伸縮の素材を採用することで、従来のフットウェアにはない「COMPRESSION(コンプレッション=圧縮)」と「TENSION(テンション=張り)」を実現した。さらにするべくTORCION(トルション=素材)から再研究。高、NEMEZIZシリーズ特有の設計「360°AGILITY」が足に巻き付くように全体をホールド。
張りがある素材が、圧縮するように足全体をホールドすることで、これまでにない抜群のフィット感を実現している。加えて、今回の『NEMEZI 19』は履き口のV字テープの領域が広がったため、足首までガッチリと固定し、究極のアジリティを生み出してくれる。
アディダス フットボール デイブ・スレイス氏(フットウェア シニアデザインディレクター)のインタビュー
――『NEMEZIZ 19』のデザインについて教えてください。
新ネメシスのデザインプロセスは、通常のプロセスとは全く異なるものでした。デザインビジョンを作成するだけではなく、実際にテストをしていく際、数多くの異なる試作品を作成する必要がありました。なぜならば、今回のネメシスは素材からデザインを見直したからです。様々な素材と試作品でテストを行い、どのように作用するかを見て、何度も繰り返しテストを行いました。
新ネメシスのデザインプロセスは、作る→テストする→作る→テストするという循環的なものでした。
――『NEMEZIZ 19』のキーポイントを教えてください。
以前のネメシスは、レースレスデザインのスパイクに必要とされた、とてもタイトで圧縮感のあるフィットを提供していました。今回のネメシスはフィット感に重要な違いがあります。タイトなフィットが必要な部分にはそれを提供し、逆に必要のない部分には柔軟性のあるフィットを提供します。
シューズの可動域も改善したいと考え、アウトソールを分割し、内側にトルションを備えた“スプリット・トルションシステム”を採用しました。この機能により、他のフランチャイズのフットウェアと比較しても、より多方向への激しい動きが可能になりました。
新素材を用いた商品開発は、新しい織り構造のアッパーデザインとなりました。商品の色や形も非常にユニークですが、この新構造により、履き口の足入れの容易さがこれまでのレースレスデザインのスパイクにはないものとなっています。
――選手からのデザインの反応はいかがですか?
ネメシスシリーズは、最も進化的であり、最も興味を喚起し、衝撃を与えるフランチャイズです。『NEMEZIZ 19』を初めて見た多くの選手が、この見た目、シルエット、カラーに驚いていました。同時に、彼らは過去のフットウェアよりもはるかに現代的で進化的だと評価してくれています。
――日本でも多くの選手がアディダスのスパイクを履いてプレーをしています。スパイクを選ぶ彼らにデザイナーの観点からアドバイスをお願いします。
まず覚えてもらいたいのは、アディダスのスパイクは最高レベルでプレーができるように設計・デザインされているということです。当然、機能的な視点でスパイク選びをしてほしいですが、それと同時に感情的な視点でも自分にベストかどうか考えてスパイクを選んでほしいです。『COPA(コパ)』であれば、最もオーセンティックなモデルありボールタッチを重視する。NEMEZIZは進化しているモデルで、アジリティを重視するプレイヤー向け。『PREDATOR(プレデター)』はコントロール、『X(エックス)』はスピード、あなたがピッチの上でどうなりたいかをイメージすることが大切です。
機能的な視点と感情的な視点の両方でスパイク選びをする。我々は、ある若いプレイヤーに興味深い傾向に気がつきました。どのようにイメージするかが、どのように感じるかに影響を与え、またそれがプレーに影響をもたらす。
良い方向に考え、感じれば、結果も良い方向にいく。スパイクはプレイヤーそのものと言えるでしょう。
南野拓実
「前回のネメシスに比べると、アッパーやアウトソールが変わっていて、個人的には凄くアッパーの感触が気に入っています」
中島翔哉
「自分のプレーの特徴である、ドリブルの切り替えし時に必要な軽さとアウトソールのグリップ力がとても気に入っています」
adidas FOOTBALL
取材=サッカーキング編集部
By サッカーキング編集部
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