文・写真=安藤隆人
夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【関東】関東第一(東京第1)8年ぶり2回目
ついに悲願のときがやってきた。近年、メキメキと力をつけてきたが、8年前のインターハイ初出場(全国初出場)以降、なかなか全国への扉を開けないでいた。4年前の選手権予選決勝では、東久留米総合を相手に0-2から土壇場で立て続けにゴールし、同点に追いつくも、PK戦の末に敗退。その翌年も2年連続で選手権予選決勝に進むが、GK渋谷飛翔(横浜FC)を擁しながらも、実践学園に後半アディショナルタイムの失点で0-1の敗戦。「全国大会の縁がない」と言われ続けていた。
しかし、この屈辱の言葉に終止符を打つときがやってきた。準決勝で強烈なストライカーのリャン・ヒョンジュを擁する東京朝鮮を2-1で下し、2度目のインターハイ出場を決めると、決勝で國學院久我山を1-0で下して、東京の頂点に立った。冨山大輔(2年)と岡崎仁太朗(3年)の2トップ、浦川眞世(3年)と道願翼(3年)のダブルボランチの屋台骨を軸とした攻撃が魅力で、中でも冨山と浦川のコンビネーションは秀逸だ。8年ぶりの全国で、大暴れを誓う。ちなみに同校OBには元総合格闘家の須藤元気と、お笑い芸人のくまだまさしとバラエティー豊か。
【北海道・東北】東北(宮城)3年ぶり14回目
今野泰幸(ガンバ大阪)の母校が、3年ぶりのインターハイ出場を手にした。新人戦は2回戦で伏兵・仙台第一に0-1で敗れたが、今予選では準々決勝で仙台育英を2-0で下し、決勝では昨年度選手権出場の聖和学園を延長戦の末に2-1で下し、優勝を果たした。今年のチームは伝統とも言える堅守を誇るチームだ。センターバック須田健太(2年)、MF高橋勇利也(2年)、五十嵐健太郎(2年)と、レギュラーに2年生が多く、今予選を制したことで、大きな自信を掴むことが出来た。ちなみに高橋は、かつてベガルタ仙台、徳島ヴォルティスなどでGKとして活躍をした高橋範夫氏(現 仙台GKコーチ)のご子息。
さらにちなみにだが、東北と言えば、サッカーだけでなく、野球やゴルフ、フィギュアスケートも強豪で、野球ではダルビッシュ有(現 テキサス・レンジャーズ)、斎藤隆(現 楽天、元ロサンジェルス・ドジャース、ボストン・レッドソックスなど)、佐々木主浩(現 解説者、元シアトル・マリナーズ)と、3人ものメジャーリーガーを輩出。ゴルフでは宮里藍を、フィギュアスケートでは荒川静香、羽生結弦の2人のオリンピック金メダリストを輩出。サッカーも今野が2度のワールドカップに出場するなど、まさにワールドワイドな人材を輩出している。