文・写真=安藤隆人
夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【関東】國學院久我山(東京第2)2年ぶり8回目
長年チームを率いていた李済華監督(現 FC琉球GM)から、コーチだった清水恭孝新監督が就任。李前監督が掲げていた「美しいサッカー」を継承し、見事に2年ぶりのインターハイ出場を手にした。
今年のチームは3トップの真ん中に君臨する点取り屋・澁谷雅也、判断力の高いMF名倉巧、読みの良いセンターバック知久航介と、1年時から大舞台を経験した頼もしき2年生が、大きな存在感を放っている。さらにキープ力があり、縦パスの精度が高い攻守の要・MF宮原直央、球際に強いDF野村京平といった3年生が、2年生をしっかりとサポート。バランスの取れた布陣で、ハイテンポかつテクニカルなパスサッカーを披露する。ちなみに都内有数の進学校で、サッカー部も文武両道を掲げており、参考書を持ってのインターハイ参戦になるだろう。なお、OBには角川春樹氏がいる。
【関東】佐野日大(栃木)3年ぶり9回目
矢板中央とのライバル決戦を気迫で制し、代表権を手にした。今年から同校OBで、かつて一度指揮を執っていた海老沼秀樹監督が復帰。新たなスタートを切った。
ポイントとなるのが、岩木艦(3年)と長﨑達也(2年)の2トップだ。「全国ナンバーワンストライカーになりたい」と強い意志と目標を持つ岩木は、フィジカルが強く、キープ力と突破からのシュートに長け、長﨑は豊富な運動量とゴール前の鋭い嗅覚が武器。個性の違う2人が絶妙なコンビネーションを見せる。余談だが、海老沼監督のフィジカルは体幹がしっかりしており、選手顔負けのアスリート体型だ。