文・写真=安藤隆人
夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【東海・北信越】水橋(富山)5年ぶり3回目
水橋と言えば、富山第一と長く富山の2強を形成していた。インターハイ予選、選手権予選の決勝は、毎年のようにこのカードだった。しかし、ここ2年はその図式が崩れた。昨年のインターハイ予選準決勝で高岡第一が、その前年に選手権で全国制覇を成し遂げた富山第一を下し、決勝まで勝ち上がってくると、水橋はその勢いに押される形で高岡第一に敗れた。選手権予選で今度は水橋が準決勝で富山第一を下すと、その勢いのまま決勝で高岡第一を下し、4年ぶり6回目の選手権出場を果たした。
そして今年、選手権でベスト16に入ったメンバーがごっそりと抜け、チームは新しく生まれ変わったが、唯一選手権をピッチで経験したMF竹内陽平(3年)、180センチのDF下鳥あとむ(3年)ら、新レギュラーの選手たちが、躍動を見せた先輩たちに刺激を受け、試合をこなすごとに成長。今予選では、準決勝で富山工が富山第一を下し、勝ち上がってきたが、決勝で富山工の勢いを止め、1-0で勝利し、5年ぶり3回目のインターハイ出場を果たした。ちなみにユニフォームが水色基調となっているのは、『水』橋だからだ。
【関西】草津東(滋賀)3年ぶり12回目
今年のチームは全国上位を狙えるチームと、春先から評されるほど、力のあるチームだ。昨年からナンバー10を背負う、絶対的エースの山本悠樹(3年)は、ぜひ注目をして欲しい選手の一人。高度なテクニックと、多彩なアイデアで攻撃をけん引する彼は、関西屈指のFWだ。MF北川卓(3年)、鎌田麓(3年)という昨年からのレギュラーに加え、万能型FW高橋晃平(3年)と、個の能力が高いアタッカーが揃っており、山本を中心に多彩な攻撃を見せる。
守ってはGK吉川翔大(3年)、激しいアップダウンを見せるDF上林聖矢(3年)ら、昨年のレギュラーが軸となり、伝統の堅守を見せる。今予選では5試合で30得点無失点という、攻守において圧倒的な力を発揮。3年ぶり12回目のインターハイ出場を果たした。