文・写真=安藤隆人
夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【東海・北信越】中京大中京(愛知第1)3年連続18回目
岡山哲也監督は現役時代、名古屋グランパスに12年間所属。アーセン・ヴェンゲル監督時代に才能が開花し、『ヴェンゲルの申し子』と呼ばれると、以降も活躍し続け、『Mr.グランパス』と呼ばれた。さらにアルビレックス新潟移籍後、J1通算300試合出場という偉業を成し遂げた名手だった。
今から5年前に母校の監督に就任し、運動量とパスワークで勝負する『岡山カラー』をチームに植え付けた。センターバック重松勇樹(3年)、ボランチのMF辻星哉(3年)、トップ下の福山大貴(3年)、1トップの柳完治(3年)とセンターラインが強固で、DF垣智也(1年)、本山遊大(1年)ら 1年生の台頭がチームに競争意識を植え付けている。岡山監督就任後、全国ベスト8の壁を破れていないだけに、それ以上を目指す。ちなみに中京大中京はフィギュアスケートが有名で、安藤美姫、小塚崇彦、浅田真央、村上佳菜子と錚々たるメンバーを輩出している。
【関西】和歌山北(和歌山)2年ぶり10回目
昨年は力がありながらも、一度も県内のタイトルを獲ることができなかった。この悔しさをバネに、今年の新人戦を制すると、今予選でも準決勝で昨年度の選手権出場の初芝橋本を3-0で下すと、決勝では桐蔭を4-0と一蹴。2年ぶり10回目の出場を果たした。
MF西村宣哉(3年)、FW通阪瑞輝(3年)が軸となった攻撃が魅力で、ポゼッション、2列目からの飛び出しと、中村大吾監督のこだわりが反映されている。ちなみに卒業生には体操でロンドン五輪に出場した、田中兄弟(和仁、理恵、佑典)を輩出。さらに吉本新喜劇でおなじみのお笑い芸人・辻本茂雄、ウォーキングトレーナーのデューク更家と顔ぶれは多彩だ。