文・写真=安藤隆人
夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【東海・北信越】四日市中央工(三重)3年ぶり28回目
伝統校・四中工。チームを率いるのは樋口士郎監督。かつて四中工のキャプテンとして選手権準優勝を経験し、小倉隆史(現・名古屋グランパスGM)や中西永輔(現・解説者)を擁し、帝京との選手権両校優勝に輝いたときは、コーチを務めていた。その後、恩師でもある城雄士前監督からチームを引き継ぎ、就任後は選手権準優勝1回、ベスト4が1回と、まさに四中工の歴史を知り尽くした名将だ。今年、学校のグラウンドが土から人工芝に変わり、練習環境は劇的に変化。もともと質の高い選手がいるが、この環境でさらに技術が磨かれた。
U-18日本代表MF森島司(3年)、FW小林颯(3年)の2人が1年時から不動のレギュラーで、彼らが今年の看板だ。MF上田航大(3年)、木下史也(3年)、FW伊藤圭都(3年)とのコンビネーションも良く、波に乗れば3度目のインターハイ制覇も射程圏内だ。さらに樋口監督の人柄の良さは高校サッカーナンバーワンと言えるだろう。常に腰が低く、丁寧な言葉遣いで人と接する樋口監督。筆者もこの人柄に惚れる人間の1人だ。
【中国】岡山学芸館(中国)3年ぶり2回目
彼らが作陽と玉野光南が牛耳っていた岡山に風穴を空けたのは、3年前の長野インターハイだった。あれから2度目のインターハイ出場を手にした。今予選では準々決勝で作陽と激突し、PK戦の末に勝利をもぎ取ると、決勝では玉野光南に先制を許しながらも、後半の中ごろに同点に追いつくと、アディショナルタイムで、MF西山敢太(2年)が執念のゴールをねじ込み、逆転勝利を収めた。
エースの竹田そら(3年)、FW川口洋平(3年)、GK岡崎修也(3年)と、軸なる選手が力をしっかりと発揮しており、高い技術と粘りのあるチームに仕上がっている。前回のインターハイでは初出場ながら、ベスト16に進出。今回はそれ以上を目指す。