夏の風物詩、インターハイが間近に迫ってきた。今年は8月2日から9日まで兵庫県で開催。真夏の王者をかけた決戦を前に、“ユース教授” 安藤隆人氏が出場全55校を紹介する。
【九州】大津(熊本)5年連続18回目
毎年のように全国レベルのチームを作り上げてくるが、今年のチームは歴代の中でも上位に位置するであろう強力なチームとなっている。その裏付けとなるのが、CB野田裕喜(3年)とFW一美和成(3年)のU-18日本代表コンビの存在だ。プロ注目の選手が攻守の要となるのは、DF植田直通(鹿島アントラーズ)とFW豊川雄太(鹿島)がいた代(2012年)以来だ。この2枚軸の他にもタレントがそろう。技術と機動力のあるMF吉武莉央(3年)、河原創(3年)、原岡翼(3年)、杉山直宏(2年)が、果敢にバイタルエリアとサイドを攻略し、攻撃に厚みを加える。守っては野田とコンビを組む眞鍋旭輝(3年)と、高校に入ってGKに転向をしたGK前田勇矢(2年)が成長してきており、攻守のバランスも取れている。
過去インターハイでは、2008年に谷口彰悟、車屋紳太郎(ともに川崎フロンターレ)、澤田崇(清水エスパルス)、松本大輝(ヴァンフォーレ甲府)、藤嶋栄介(サガン鳥栖)、圍謙太朗(FC東京)という豪華メンバーを擁してベスト4。昨年は決勝まで進み、東福岡との死闘の末に1-4で破れ、準優勝に終わった。この悔しさを味わっているのが、野田、一美、吉武、河原などで、この思いも高いモチベーションにつながっている。目標はズバリ、これまでの先輩たちが誰一人達成できなかった、全国制覇ただ一つだ。
【四国】明徳義塾(高知)5年ぶり8回目
サッカーだけでなく、野球、卓球、ゴルフ、相撲などが盛んなスポーツ強豪校。卒業生も元横綱・朝青龍、大関・琴奨菊、伊藤光(オリックス・バファローズ)、プロゴルファーでは松山英樹、横峯さくらと多士済々。サッカー部では三都主アレサンドロ(元日本代表、日韓大会とドイツ大会の2度のW杯出場)を輩出している。
昨年度の選手権で4年ぶりの全国大会出場を果たすと、選手権の大舞台に何と5人の1年生と、3人の2年生がスタメン出場し、途中出場の3人は全員が2年生だった。GK六倉葵(2年)、DF濱口俊介(2年)、ハードマークと激しいボール奪取を見せるMF禹滉允(3年)、森田崇文(3年)、土家壮太(2年)、昨年からナンバー10を背負うMF佐々木敦河(2年)、城前賢志(3年)、FW竹内優太(2年)と、この大舞台を経験した彼らが大きく成長し、5年ぶり8回目のインターハイ出場を決めている。