一戦必勝を誓う市立船橋、勢いに乗る久御山を撃破してノルマ達成

文・写真=森田将義

「一つひとつ目の前の試合を勝ち進むだけ」。朝岡隆蔵監督の言葉通り、一戦必勝を誓う市立船橋が力強い戦いぶりで、ベスト8に駒を進めた。

 3回戦の相手は桐光学園、青森山田の名門2校を撃破し、勢いに乗る久御山。「立ち上がりはビビっていた」(松本悟監督)と堅さが見られた相手を序盤から押し込み、11分にはMF工藤友暉がクロスバー直撃弾をお見舞いすると、13分にはMF高宇洋のパスを、ゴール前のFW矢村健がスライディングで合わせて、先制した。

 幸先の良いスタートを切った市立船橋だったが、「シンプルな戦いをすれば、難しい試合にはならなかったのに、FWが簡単にボールを失ってしまった」(朝岡監督)と、以降はゴール前に進出しながらも追加点が奪えず。前半終了間際にはFW和田幸之佑にヒヤリとする場面を与えしまった。

 迎えたハーフタイムに朝岡監督が「このままなら、逆転されるよ」と選手たちに声をかけたように、2点目が奪えず勢いを失った市立船橋に対し、久御山は「後半は行けるかなという気がしていた」(松本監督)。双方の予感が的中し、42分には和田とのワンツーで、ペナルティーエリアに進入したMF玉村光輝を倒し、PKを与えると、MF山本蓮に決められ、試合は振り出しに戻った。

 ここからはパスとドリブルで久御山がボールを動かす時間が続いたが、「久御山のスタイルを考えると持たれるのは仕方ない。絶対に一発で刺せる隙はあるはず」(朝岡監督)と2失点目を防ぎながら、反撃の瞬間を待った。2度目の歓喜は55分。工藤がゴール前に入れたFKのこぼれをMF椎橋慧也が押し込むと、61分には工藤が左サイドから豪快なシュートを叩き込み、リードは2点差に。64分にも高が加点し、突き放した。

 試合の大局はすでに決したものの、久御山は最後まで粘りを見せて、アディショナルタイムにはペナルティーエリア左でスルーパスに反応した山本が角度のない位置から、カーブをかけてネットを揺らすスーパーゴールを決めて、最終スコアは4-2。朝岡監督が「真剣勝負を4試合はしないと強化にならない。3試合は勝ちたいな、勝って中日を迎えたいなと思っていた」と口にしたように、大会前に掲げたノルマを達成した。

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