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「勝負は試合前に決まっている」…OBの中村俊輔から激励受けた桐光学園が9度目の全国大会へ

2015.11.09

文・写真=平柳麻衣

 全国大会常連校が予選で早々に姿を消すという波乱が各地で起こっている、第94回全国高等学校サッカー選手権大会地域予選。今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で神奈川県予選を制した桐光学園高校も、選手権出場への難しさを感じていた。鈴木勝大監督は「夏の(神奈川県)チャンピオンというおごりはなかったけど、良くも悪くもベスト8からの出場というのは難しい」と振り返る。事実、準々決勝の桐蔭学園高校戦と準決勝の湘南工科大学附属高校戦は、攻撃的な姿勢を見せながらも決定力を欠き、1-0の僅差で勝ちあがってきた。

 そんな中、決勝戦の2日前である11月5日にOBの中村俊輔(横浜F・マリノス)が桐光学園の練習を訪問。お菓子や栄養補助食品の差し入れとともに、選手に向けて激励の言葉を送った。中村は、10月31日に行われたヤマザキナビスコカップ決勝戦を例に挙げ、「どんなに前評判が高くても、準備がしっかりできていなければ勝てない。気持ちが強い方が勝つ。勝負は試合前に決まっている」と話したという。

 キャプテンの小川航基は、「ああいう選手に言葉をもらえたのは、すごく励みになった」と話し、鈴木監督は「決勝戦の戦い方について話せる人は、あいつの他にいない。彼の人間性や母校への想いには非常に感謝している。僕から話すよりも、よっぽど生徒たちに響いたと思う」と感謝の言葉を述べた。

 偉大な先輩からのエールを受けた桐光学園は、迎えた決勝戦で市立東高校に2-0で完封勝利。1万人以上の観客が駆けつけたニッパツ三ツ沢球技場の雰囲気に飲まれることなく、攻撃的なサッカーを貫き、相手に付けいる隙を与えなかった。

 これで桐光学園の選手権出場回数は9回目となり、神奈川県内で単独トップに踊りでた。鈴木監督は「OBやスタッフたちが重ねてきた歴史」としながらも、「これからもっと出場回数を重ねて、“神奈川県に桐光学園あり”ということを示していきたい」と、新たな歴史を刻む意欲を見せた。

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