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成立学園攻撃陣をシャットアウト。4月1日に公式戦デビューを果たした期待の1年生、國學院久我山DF上加世田達也

2015.11.09

文=酒井伸、写真=渡辺裕子

 雨が降る中、多くの観客が開門前から列を作り、試合を持ちわびていた。オレンジ色と水色の応援団が“高校サッカーらしい”独特の雰囲気を作りだし、平成27年度第94回全国高等学校サッカー選手権大会東京都大会2次予選Bブロック準決勝の國學院久我山と成立学園高校の一戦がスタートした。

 試合開始早々は、FW吉村伸やFW長島洸大、FW鈴木龍之介ら成立学園の攻撃陣が個人技を活かしたドリブルやトリッキーなプレーで崩しにかかる。「憧れていた西が丘でプレーするのは初めてで、緊張しました」。試合後に國學院久我山高校の1年生センターバックのDF上加世田達也が語ったように、固い立ちあがりであった。スリッピ―なピッチに苦戦し、上加世田も自陣でクリアミスやファウルを犯し、危険な場面を作られた。

 しかし後半、「先輩に助けられ、落ち着いてプレーができました」との言葉どおり、センターバックでコンビを組むDF野村周平やボランチのMF知久航介らと声をかけあい、相手アタッカーに対して、上加世田はチャレンジ&カバーを徹底した。DF陣が我慢し続けたことで、50分にDF山本研の決勝点が生まれた。その後に途中出場した成立学園のFW町田ジェフリーとMF長田一宏にもしっかりと対応し、1年生GKの平田周らとともに無失点勝利に貢献した。

 その上加世田は、中学時代にはNPOワセダクラブForza’02に所属し、第29回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会でベスト16の成績を残した。「高校サッカーで全国大会に行きたいので、久我山に来ました」。そんな想いから國學院久我山への入学を決めたという。

 すると、中学生から高校生に進学した4月1日に高校サッカーのデビュー戦が訪れる。この日の対戦相手と同じ成立学園と高円宮杯U-18サッカーリーグ東京1部(T1リーグ)第5節で対戦し、スタメン出場を果たしたのだ。その後も経験を重ね、今夏に開催された平成27年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)において、1年生でスタメンに抜擢された。「非常に力のある良い選手。自信を持ってプレーしている」。指揮を執る清水恭孝監督からの評価も高く、彼への期待の大きさがうかがえる。

「次も勝って全国大会出場を決めたい」と、上加世田は3年連続の全国出場が向けて意気込む。インターハイでは、明徳義塾高校に逆転負けを喫し、初戦で姿を消した國學院久我山。夏の屈辱を晴らすべく、まずは帝京高校との決勝戦に臨む。

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