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「誇りを持って戦うことが使命」…1年生ながらも堂々とゴール前に君臨した國學院久我山GK平田周

2015.11.18

文=平柳麻衣、写真=岩井規征

 今シーズンのT1リーグでは、2戦2分けだった國學院久我山高校帝京高校が、平成27年度第94回全国高等学校サッカー選手権大会東京都予選Bブロック決勝の舞台で激突した。

 國學院久我山のGK平田周は、ルーキーらしからぬ堂々とした立ち振る舞いでゴール前に立ちはだかった。「ピッチに出たからには学年は関係ない。東京都で連覇しているという誇りを持って戦うことが使命だと思っていた」。試合の中では、帝京に再三セットプレーを与えてしまったが、平田が積極的な飛びだしで広範囲を守った。敵将の日比威監督は試合後、「平均身長ではうちの方が高さはあったはずだけど、あの1年生のGKがことごとく出てきてクリアされた」と、平田の活躍を敗因の一つに挙げている。平田は「自分が前に出ることでチームを励ましたかった。勝利に貢献できてうれしい」と胸を張り、國學院久我山の清水恭孝監督も「最後まで集中してよくがんばってくれた」と称えた。

 4月1日の公式戦からレギュラーに定着した平田だったが、インターハイ予選前に右膝半月板を負傷し、手術をした。その間にチームはインターハイに出場し、1回戦で敗退。悔しい気持ちをスタンドで味わうことしかできなかった。その後、復帰を果たしたのは選手権予選の直前。この日も、多少なりとも不安を抱えた中でのプレーであったはずだが、「監督が自分を信じて使ってくれた。勇気を持ってプレーできたことは、これからの自分につながる」と平田。試合はスコアレスのままPK戦へと進み、平田のPKストップこそ見られなかったものの、國學院久我山が6-5で勝利を収めた。

 國學院久我山は3年連続の選手権出場となるが、一昨年は1回戦で熊本国府に1-2で敗戦し、昨年度は3回戦の京都橘高校戦で0-0のままPK戦に突入して1-3で敗れた。ベスト16での終戦を一観客として会場で見届けた平田は、昨年以上の成績を目標に掲げる。「今日のPKは止められなかったけど、シュートストップには自信がある。みんなが強い気持ちで全国につないでくれたので、今度は自分が止めて勝ちたい」。自身初となる全国の舞台でも、物怖じしない積極果敢なプレーを見せてくれるはずだ。

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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