高橋、加藤、中村、田辺…新潟明訓の攻撃に多彩なバリエーションをもたらす『下越カルテット』

文・写真=安藤隆人

 1年生からレギュラーとして活躍してきたMF加藤潤、MF中村亮太朗、FW高橋怜大の期待のトリオが最高学年を迎え、彼らが高いスキルと状況判断能力を駆使し、新潟明訓高校の攻撃に多彩なバリエーションをもたらしている。

 ハイレベルな中盤を構成できているのは、3人の精神的な成長が大きい。「攻撃を組み立てるだけでなく、守備面でも存在感を出さないといけない」と、パスセンスに秀でたアンカーである加藤の守備意識が高まったことで、攻守のバランスが整った。「自分がボールを持ちすぎると流れが切れるので、周りを活かしながら、仕掛ける意識をしている」とトップ下の中村が語る。右サイドの高橋も「自分がおとりになったり、裏に抜けたりして、パスの選択肢を増やしたい」と献身性の重要性を語る。

 そして夏以降、このトリオに強烈なタレントが加わった。田中健二監督は夏まで左サイドバックだった田辺大智をFWにコンバート。「このチームには強引にでも点を取るストライカーが足りなかった」(田中監督)ことから、屈強なフィジカルと瞬間的なスピード、思いきりのいいシュートを持つ彼をFWに起用。するとこれがはまりにはまった。プリンスリーグ北信越(高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プリンスリーグ北信越)でゴールを挙げ始めると、県予選決勝(平成27年度第94回全国高校サッカー選手権大会新潟県大会決勝トーナメント決勝)では決勝ゴール。今やチームのエースストライカーに成長した。

 中村が負傷し、選手権に出場できるか不明だが、中村、加藤、高橋のトリオに田辺が加わった『下越カルテット』に注目だ。

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