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前回大会王者の星稜、激しい競争で着実にステップアップしてきたチームが2連覇に挑む

2015.12.24

文・写真=安藤隆人

 昨年度の全国高等学校サッカー選手権大会において、星稜高校は大会直前に事故により名将(河崎護監督)を欠きながらも、キャプテンのDF鈴木大誠(筑波大学)を軸に、抜群のまとまりを見せた。決勝では前橋育英高校を相手に、延長戦の末に4-2で下し、国立競技場から聖地が埼玉スタジアム2002に移って、初めての王者となった。

 あれから1年。星稜は『前年度チャンピオン』の看板を背負って選手権の舞台にやってくる。前回のレギュラーメンバーはGK坂口璃久しかおらず、スタメンの顔ぶれは大幅に変わった。春先は思うように結果が出ず、苦しい時期を過ごした。しかも河崎監督の現場復帰が9月になり、監督不在のまま8か月を過ごした。

 この8か月間で選手は逞しく成長した。特に2年生が台頭し、貴重な戦力となった。9月に河崎監督が復帰すると、3年生と2年生の融合と、選手のコンバートに着手。

 チームナンバーワンの技術を誇るMF大橋滉平を、アウトサイドのポジションからボランチに移し、チームの攻守の軸に据えた。そして、中央で起用していた2年生MF片山浩をアウトサイドに移し、彼の突破力を引きだした。FWもサイドだった村中龍仁をコンバートさせ、彼のスピードを裏への飛びだしに活かしたことで、高さと左足のシュートを持つ2年生FW窪田翔とのコンビネーションが向上し、得点力アップに成功した。

 攻撃にバリエーションが増えたチームは、選手権予選において圧倒的な力を見せ、17年連続26回目の出場を勝ち取った。

「8か月の財産もあった。2年生ボランチの川渕陸や窪田が経験を積んで、レギュラーに定着したし、岡田勇斗と東方智紀のセンターバックもコンビネーションが高まった」(河崎監督)

 サイドバックも助田航平と六田邦宏が不動だったが、ここにきて2年生の木出雄斗が台頭。「僕のポジションも安泰じゃないので、競争がチームを引き締めている」と助田が語ったように、チームは今、激しい競争とコンビネーションの向上で、2連覇に向けて着実にステップアップしてきている。

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