インタビュー=安田勇斗、写真=平柳麻衣
“東京オリンピック世代”にあたるU-18日本代表のエースを担い、来シーズンからジュビロ磐田の一員としてプロの世界へと飛びこむ。もっとも、高校サッカー界ではビッグインパクトを残すには至っておらず、高校最後の大会である選手権に懸ける想いは強い。「大迫(勇也/ケルン)選手を超える11点を取りたいですね。チームとしては全国優勝、てっぺんを取りたいです」
ゴール前でいいポジションを取って、ゴールを決めることが持ち味
――選手権の予選を振り返っていかがでしたか?
小川 個人的には、準決勝の湘南工科(湘南工科大学附属高等学校)戦で、自分の持ち味を出せず得点を決められなかったですし、全体的に満足できるプレーではなかったですね。
――決勝の横浜市立東高等学校との試合では2得点を挙げて、チームを予選突破に導いています。
小川 あの時は気持ちの面で違ったというか。気持ちの持ち方次第でプレーが変わってくると思いますし、その気持ちが強くければ強いほど自分のプレーが出せる感覚があります。そういう意味で決勝は良かったかなと思います。
――決勝に向けて気持ちをどう高めていったのでしょうか?
小川 湘南工科戦が終わった後に「これじゃあダメだな」って思ったんです。県内でこんなプレーしかできないようじゃマズいって。決勝では得点で見返すしかないと思い、気持ちを切り替えました。湘南工科戦もそうですけど消極的な時は、前が空いてるとパスを選択することが多くて、決勝ではボールを持ったらまずシュートを打ちにいくことを意識しました。それと、ゴール前での動き直しを繰り返しやるようにしました。それが良い結果につながったのかなと。
――準決勝まで苦戦が続く中、チーム内の雰囲気はいかがでしたか?
小川 苦戦はしたんですけど、勝ちきれたのはチーム内でも自信になりました。初戦(vs桐蔭学園高等学校)も苦しみながら勝てているので、そこは去年と違う感覚がありましたし、いいチームに仕上がってきていると思っています。ただ今年は、「相手を圧倒して勝ちきる」ことがテーマなので、もっとレベルアップしないといけない、と感じています。
――自分の一番の持ち味は?
小川 得点を取ることです。ゴール前でいいポジションを取って、ゴールを決めることが持ち味だと思っています。
――U-18日本代表でもプレーして、ジュビロ磐田への加入が内定していることもあって、マークは厳しいと思います。
小川 そうですね。でもその上をいくプレーができないとプロでも通用しないと思っています。自分にマークが付くことで味方を活かすこともできますし、自分はもちろんチームでしっかり点を取れればなと。
――より成長するために自主練習なども行っているのですか?
小川 シュート練習をしています。ほとんど毎日やっていて、長い時は1時間ぐらい続けています。
――具体的にどんな練習をしているのでしょうか?
小川 腰をひねってGKが取れないところを狙うとか、ニアに蹴るモーションで逆サイドに蹴るとか、いろいろなパターンを練習しています。蹴り方も、位置を見て思いっきり振り抜いたり、GKに近いところではコースを狙ったり、変えながらやっています。
――筋トレなどで重点的に鍛えているところはありますか?
小川 筋トレはそんなにしないですね。筋トレをしてる暇があったらシュートの練習をしたいので。
――シュート練習には特に強い想いがあるようですね。
小川 毎日、満足するまで続けたいと思っています。でもあまり入らずイライラしたり、毎回満足せずに終わってしまうことが多いんですが(苦笑)。
インパクトを残したい
――初戦の相手である長崎南山高等学校のイメージはありますか?
小川 まだあまりないです。初出場ですけど、予選を突破してきたチームはどこも強いので、一戦一戦しっかり戦っていこうと思っています。全力を出して、相手を圧倒する試合ができればなと。
――憧れの選手は、選手権の1大会最多得点記録(10ゴール)を持つ大迫選手とうかがいました。
小川 選手権であれほどインパクトを残した選手はいないですし、僕もそれぐらいインパクトを残したいですね。
――選手権での個人とチームの目標は?
小川 個人では得点王を目指して戦います。簡単ではないですけど、大迫選手を超える11点取りたいですね。チームとしては全国優勝、てっぺんを取りたいです。