文=安藤隆人、写真=岩井規征
いよいよ12月30日の開会式、開幕戦を皮切りに熱戦の火ぶたが切って落とされる第94回全国高校サッカー選手権大会。ここでは30日に行われる開幕戦と、31日に行われる1回戦の全16試合を、ショートプレビューしていきたいと思う。高校サッカーファンだけでなく、高校選手権をあまり観たことがない人、今年から観てみようと思う人などが、それぞれの郷土のチームや気になるチーム、試合を観る上での参考になってくれればと思い、簡潔なプレビューをお届けしたい。
國學院久我山 vs 広島皆実
攻撃陣が好調を維持している國學院久我山高校に対し、様々なフォーメーションを試しながら、時間をかけて作り上げてきた広島皆実高校。これも1回戦屈指の好カードだ。國學院久我山はエースのFW澁谷雅也とトップ下の名倉巧の2年生コンビが看板。ここにボランチの鈴木遥太郎、小林和樹と内桶峻の両サイドハーフがフレキシブルにポジションチェンジを繰り返しながら、多彩なパスとドリブルで、相手DFを切り崩していく。直前の御殿場合宿でもその破壊力は猛威を振い、そのテンションのまま初戦に挑んでくる。
それに対し、広島皆実は坂下剛基、二井野巧、林耕平の3バックが多彩な國學院久我山の攻撃に対応できるか。チャレンジ&カバー、藤井陸と藤井敦仁のダブルボランチとの連携が鍵を握る。攻撃はスピードアタッカーであり、無回転FKを操る男FW有国修平、技術レベルの高いFW前谷慧など、個性派がそろうだけに、堅守強攻の展開に持ちこむことができるか。ここがこの試合のポイントだ。