2ゴールに絡む活躍を見せた青森山田MF郷家友太(中央7番) [写真]=石倉利英
27日の平成28年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)1回戦で中京大中京高校(愛知2)から開始21分で3得点を奪った青森山田高校は、2回戦ではそれよりも早い17分間で3得点を決めて一気に主導権を握った。
開始5分、左サイドバックの三国スティビアエブスの鋭い突破からのセンタリングに勢い良く飛び込んで右足で合わせたのは、中盤の3センターの一角を占める2年生アタッカーの郷家友太。「エブスさんが突破した時、性格からしてシャレたプレーをすると思って相手の後ろにいたら、本当に股を通してきたので、あとは決めるだけでした」と振り返る先制点は、試合の流れを引き寄せる価値ある一撃だった。
さらに10分には、エリア内で嵯峨理久のパスを受けて右サイドからシュートを放つと、相手GKが弾いたこぼれ球を天笠泰輔が押し込む。「自分で決められれば良かったけど、ゴールにつながったので」。2点目にも絡んで序盤の猛攻をリードすると、その後も巧みにポジションを入れ替えながら、パスの受け手にも出し手にもなって中盤を支えた。
6-0で大勝した1回戦では、得点に直接絡むプレーはなし。「チームが勝つことだけを考えていたので、あまり気にしていなかったですけど、2回戦となると自分もゴールが欲しくて、昨日もホテルでイメージしながら過ごしていた」という意識を結果につなげた。3-0とした後に1点を返されるなど、相手の抵抗に遭った展開を「集中力が一瞬、切れたところでやられてしまった」と振り返り、自身も4-1とリードした後半に警告を受けるなど手放しでは喜べない部分もあったが、勝利をつかんだことで3回戦以降に向けて前向きに捉えることができる。
「中盤の3枚の1人なので、前に行きつつ、ビルドアップにも関わって時間を使ったり、自分のチャンスメークで得点につなげていきたい。明日(29日)の試合に勝てば、だんだん優勝も見えてくる」。鹿島学園高校(茨城)との3回戦、さらにその先の頂点へ。「つぶれるまで、しっかり走りたい」と、真夏の全力疾走を誓った。
文=石倉利英