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先制点を挙げた昌平のエース・佐相壱明 初戦でつかんだ手応えと課題

2018.01.01

初戦で得点を挙げた佐相 [写真]=兼子愼一郎

取材・文=河合拓(提供:ストライカーデラックス編集部)

「ホッとした感じと、やったという感じ、両方ありますね。この日のためにずっと準備してきたので、全国で初めて勝つことができて、言葉にすることができないくらいうれしいです」

 卒業後、大宮アルディージャ入りが決まっている昌平佐相壱明は、勝利した感想をこう話した。3年ぶり2度目の選手権出場を果たした昌平は、PK戦の末に広島皆実を破り、2回戦に進出。佐相は先制点を挙げ、勝利に貢献した。

 前半19分、塩野碧人のクロスがあがると、「蹴る瞬間まではセンターバックを引き付けて、蹴る瞬間、瞬間的なスピードでマークを外しました」という佐相は、完全にフリーとなってヘッドでゴールネットを揺らした。プロ入り後、ホームスタジアムとなるNACK5スタジアム大宮での先制弾を「毎試合、ここでは点を取れているので、いつもどおりだっていう感じでした。自分が点を取れずにチームが負けたら、オレの責任だと思っていたので、点を取ったときはホッとしました」と、表情を緩ませる。

 チームの期待に応える先制点を決められた一方で、課題も残った。先制点を挙げた後の前半25分、昌平はテンポ良くパスを回して相手ゴールに迫ったが、佐相の放ったシュートはカバーに入ったDFに阻まれた。同34分にも、GKと1対1になる決定的な場面があったものの、シュートをはじかれている。この2度の場面で得点を決めきれなかったことで、ゲームはPK戦までもつれる難しいものとなってしまった。

「あの2つのチャンスを決めきれていれば、もっとラクな試合展開になったと思うので、そこは反省点です。ゴール前での弱さが出てしまったと感じています」と、反省した。

 選手権は、選手を大きく成長させる場でもある。佐相が、より高い決定力を持つ選手になることも十分に可能だろう。チームメートが全国の舞台で硬くなる中、彼は「異様というか、気持ちが昂るような雰囲気で、自分の限界を感じないくらいプレーができました」と、選手権特有の雰囲気を楽しめていたという。実際、ゴールを挙げた場面以外でも、後方からのボールを収めて前線で起点を作ったり、DFを背負いながらもボールを運んだりと、個の能力の高さを随所に見せた。

 勝ち進めば、勝ち進むほど注目度は高まる。そうした状況を楽しめて、より高いパフォーマンスを発揮できるストライカーの存在は、昌平の大きな武器となるはずだ。

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