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U-12ワールドチャレンジが開幕、大会3連覇に挑む名門バルサが川崎Fらと対戦

2015.08.28

文=川端暁彦 写真=瀬藤 尚美

 8月27日、今年で第3回大会となる『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015』が東京都内のヴェルディグラウンドを舞台に開幕した。最注目チームは当然ながら大会3連覇に挑む名門、FCバルセロナであることは言うまでもない。

 初戦でバルセロナに挑んだのは川崎フロンターレU-12。今年3月のダノンネーションズカップ in JAPANを制し、8月の関東少年サッカー大会でも優勝を飾るなど今季のジュニア年代で最も評価の高いチームの一つだ。佐原秀樹監督率いる川崎Fとバルセロナの開幕戦は、大会の行方を占うのに格好の一戦となった。

 結果を言ってしまうと、1-3で川崎Fが惜敗。前半は1-1のタイスコアだったが、最後は競り負けてしまう形になった。ただ、MF甲斐翔大らを中心に戦った内容は拮抗しており、バルセロナのセルジ監督が「こういうレベルの相手とできるのはありがたい。全員がすごくいい選手で、全体のバランスが良かった」という言葉も単なる社交辞令ばかりではないだろう。

 午後の第2戦でもバルセロナは九州の街クラブ、ブレイズ熊本に大苦戦を強いられた。開始早々に1点を奪いながら、そこからは次々とピンチを迎える展開に。セルジ監督が「熊本の前線にすごく速い選手(廣田勇心)がいて崩されてしまった。あのFWにはヒヤッとさせられたよ」と漏らしたとおり、前半だけで3度の決定機を許すことに。ブレイズが決定力を欠いたことで最終スコアは0-4と開いたが、盤石の内容とは言い難かった。

 試合を観た正直な印象を言えば、過去2大会のバルサと比べると戦力的に一段落ちる印象も否めない。これは18歳未満の選手を国際移籍させていた問題によるFIFAの制裁措置で来年1月まで選手獲得ができなくなっているためなのだという。今季から加入した5選手が1月まで出場不能ということで、この大会にもエントリーしていない。例年、夏に加入したばかりの選手が旺盛な戦意をもって大会で暴れ回るだけに、「移籍組」の不在はチーム力にも影響を及ぼしてしまっているということだろう。

 もっとも、それでも今年のバルセロナにもユニークなタレントは多々いるし、チームとしても“らしさ”は十分に見せてくれている。個人で言えば、MFシモンズ・チャビは、ライオンのような髪型も決まっている素晴らしいパサーだし、10番を背負うMFペラクも決定的な仕事のできるタレントであり、それぞれ一見の価値がある。「(この後の試合は)より長くボールを失わない完璧な試合を目指したい」と言ったセルジ監督は、「まだまだこんなものではない」と言いたげだった。

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