文=横山恵美(スポーツ東洋)
キャプテンのFW遊馬将也が不在の中、朝鮮大学校から先制点を奪ったのはともに2トップを担ってきたFW仙頭啓矢だった。
前期、格下の朝鮮大に惨敗を喫した。今節はその朝鮮大グラウンドでの完全アウェイでの試合。さらに前節、キャプテンで一番の得点源である遊馬がイエローカードをもらった。これにより累積警告となり、この試合の出場停止処分を受けた。遊馬がいない大一番の試合はイレブンにとって初めてだ。この状況に古川毅監督は苦戦すると覚悟していた。
しかし遊馬の欠場は結果、イレブンに良い刺激を与えた。キャプテンがいない中でやれてこそ強いチームである。仙頭は序盤から果敢に得点を奪いに行く。だが、わずかなずれでゴールマウスを捉えられない。「チャンスを決めないと、1部に上がった時にはもっと苦しい状況になる」と仙頭は昇格を見据えながら課題を挙げた。
前期、朝鮮大戦での敗因はフィジカル負けだった。しかし、今節はそれに対抗するため素早く的確なパスを回しで主導権を握る。「キャプテンがいない中で負けるわけにはいかない」。遊馬と同じく得点ランキングに名乗りを上げている仙頭の想いは人一倍強かった。56分、仙頭がゴール前の混戦を制し蹴ったボールはマウスの左上を捉え先制点を奪った。
「昇格して4年生を笑顔で送りだしたい」。この想いを胸に残り2節、仙頭を中心に下級生がイレブンを鼓舞する。
------------------------------------------
選手のコメントはスポーツ東洋のホームページ(http://sports-toyo.com/news/detail/id/3004)をご覧ください!