文=宮内大輔(関学スポーツ)
関西で本当に強いのはどちらなのか。平成27年度 第64回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)出場をすでに手中に収める1位関西学院大学と2位阪南大学の直接対決は、意地と意地のぶつかったゲームとなった。
両チームともすでに順位を決めていた上、観客も多く、どこか普段のリーグ戦とは違う雰囲気の中始まった試合。お互いに相手の様子を見合う静かな立ちあがりだった。試合の主導権をつかんだのは、13分、16分と決定機を作った阪南大。その後も縦に素早い攻撃と前線の選手の個人技、強さを活かした攻めでチャンスを作っていく。32分には関西学院大が自陣低い位置でボールを奪われてキーパーと一対一のピンチを招くも、GK上田智輝の好セーブで間一髪ピンチを逃れた。
その後、相手DFラインの裏深くに抜けだしたDF高尾瑠が相手に倒される。PKにも見えたものの、ペナルティーエリアわずか外の判定に。このFKをMF出岡大輝が直接狙うも、枠を捉えきれない。関西学院大は前半このFKを含めた3本のシュートに終わった。
迎えた後半。それまで抑えられていたFW呉屋大翔が前を向いてボールを持つ回数が増え、徐々に関西学院大にチャンスが訪れるようになる。「阪南大は個人技がある。最後のところで絶対守りきりたかった」と話す主将DF井筒陸也中心に、ディフェンス陣も体を張った守備でゴールラインを割らせない、気持ちのこもったプレーでチームを鼓舞する。一進一退の攻防が続く中、先制点を奪ったは関西学院大だった。79分、カウンターからMF森俊介のセンタリングに途中交代で入ったMF魚里直哉が頭で合わせ、先制点を奪う。
しかし、その直後の80分に阪南大に見事な連携からFW前田央樹に得点を許してしまう。このまま試合が終わると思われたが、最後にエースが大仕事をやってのけた。84分、右サイドからMF徳永裕大のクロスに中で合わせたのは呉屋。「相手がボールウォッチャーになった瞬間に動いた。マークを外す動きで決まった得点」(呉屋)。関西学院大のエースが少ないチャンスを確実にものにし、値千金の決勝点を奪った。
頼れるエースの得点で熱戦を締めた関西学院大がリーグ戦最終節も勝利で飾った。相手にペースを握られる苦しい試合展開の状況であっても勝ちきる地力を見せたこの試合はインカレに向けて大きな布石となる。「しぶとく勝てた。苦しい試合をものにする勝ち方を学べた試合だった」と呉屋は振り返った。
残された大会はインカレのみとなった。 2015年度 第44回 関西学生サッカー選手権大会、第39回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント、第93回関西学生サッカーリーグ、今シーズン3冠を達成した関西学院大は来たる12月、満を持してインカレに臨む。
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