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「誰よりも上にいるために」筑波大を選んだ“東京五輪世代”の鈴木徳真「4年後に鹿島に行きたい」

2015.11.30

インタビュー=安田勇斗、写真=JUFA/REIKO IIJIMA

 各年代の日本代表に名を連ね、今秋にはU-18日本代表の一員としてAFC U-19選手権バーレーン2016予選に参加。前橋育英高校ではキャプテンとして昨年度の選手権で準優勝、大会屈指のボランチとしてその名を知らしめた。プロ入りもささやかれる中、新天地に選んだのは筑波大学。タイトル獲得と鹿島アントラーズ加入を目指して、鈴木徳真大学サッカーを舞台に研鑚を積んでいる。

自分が強くすればいいと思ってました

――進路決めたタイミングはいつですか?
徳真 去年の10月です。J1のクラブに行きたかったんですけどオファーが来なくて筑波大に行くことに決めました。

――J2のクラブからは?
徳真 一つだけオファーをいただいて、そのクラブか大学かで迷いました。それで、自分としては大学でもっと体を鍛えて、出場機会を増やして、試合経験を積んだ方がいいって思ったんです。やっぱり高卒1年目でJリーグの試合に出るのは難しいですし、実際試合に出ている選手はあまりいないので。僕はプロに行った選手も含めて、4年後に誰よりも確実に上にいたい。そのためには大学でプレーするべきだって考えました。その中で筑波大は素晴らしい環境ですし、ここに来たいって思ったんです。

――他の大学は考えなかったんですか?
徳真 大学の試合を見るタイミングがなくて、親がよく見に行ってくれたんです。その親が「筑波大のサッカーが一番いい」って勧めてくれて。

――自分では見ずに?
徳真 親とは小さい頃からずっとサッカーの話をしてきたので信頼してるんです。その親が言うので間違いないなと。なんか親とは一緒にサッカーをしている感覚なんですよね(笑)。

――ただその当時、関東大学サッカーでは良い成績を残せていませんでした。
徳真 確かに結果は出ていなかったですけど、一番いいサッカーをしているところに行きたかったので。自分が強くすればいいと思ってました。

――親というのはお父さんですか?
徳真 両方です。お父さんとは細かいプレーの話をして、お母さんはモチベーション的な部分で。毎試合話していて、自分と考えが一致しない時は、納得するまで話し合って。自分のサッカーを一番知ってるのは間違いなく両親ですね。

――そのアドバイスを受けて入学したんですね。
徳真 はい。でも最後は自分で決めたんで。筑波大の練習に参加させてもらって、自分自身がいいなと思って決めました。

――特に良いと感じた点は?
徳真 車屋紳太郎君(川崎フロンターレ)を見て、ああいうすごい選手が育つ環境というのに魅力を感じました。また、サッカーのスタイルが自分に合っているところも理由の一つで、その先の長いサッカー人生を考えるとそれも大事かなと。あと、サッカーとは関係ないんですけど、学校が茨城にあって実家から遠くないところもいいと思いましたし、親には言ってないんですが、国立の大学という学費の面も考慮しました。

面白いようにゲームを作っていくのを見てほしい

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――筑波大の寮生活はいかがですか?
徳真 高校時代は2人部屋で、今は1人部屋なのでフィーバーって感じです(笑)。

――その寮の良いところは?
徳真 お母さんに怒られないところ(笑)。

――筑波大に入って、高校サッカーとはどんな違いを感じましたか?
徳真 練習時間が1時間なので、正直に言うともっとボールを蹴りたいって思いますね(苦笑)。集中力が続く中で密度の濃い練習をしているんですけど。

――どんな内容なんですか?
徳真 大きく分けて4つあって、パス、ポゼッション、シュート、最後にゲームです。

――「一番いいサッカー」と評価していた筑波大のサッカーはどんなスタイルなんでしょうか?
徳真 表現が難しいんですけど、相手を見て型にハメていくのではなく、相手を見た上で自分たちが判断しながらゲームを進めていくサッカーだと思ってます。

――その中での自分の役割やアピールしたい部分は?
徳真 僕はゲームメークを一番見てほしいですね。面白いようにゲームを作っていくのを見てほしいですし、楽しんで勝つサッカーを見てもらえれば。

――参考にしている選手はいますか?
徳真 いっぱいいます。みんな持ち味が違うので。その中で一番好きなのはシャビ選手(元バルセロナ、現アル・サッド)です。自分が考えつかないようなスルーパスを出すんですよね。それと遠藤保仁選手(ガンバ大阪)のゲームメーク。縦パスを効果的に使って要所要所で仕事するところがすごいなと。あとトニ・クロース選手(レアル・マドリード)の縦パスも好きですね。ボランチにとって縦パスは命で、それがないとやっていけない。それが面白いように通るので、すごく参考になります。

――今後の抱負をお願いします。
徳真 大学でタイトルを3つ取りたいです。これから1年で一つずつ取ることが目標で、卒業したらプロに行きたい。今一番行きたいのは鹿島アントラーズです。

――その理由は?
徳真 柴崎岳選手がいるところが大きいですね。それとベテラン選手を大切にしている印象があって、その中で学べる点も多いかなと。クラブとしての歴史、地元に近いところにも惹かれます。ただそれで終わりではなく、将来的にはA代表に入り、海外クラブでもサッカーがしたいと思っています。

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