宮地のゴールで先制 [写真]=慶應スポーツ
文=氏家滉登(慶應スポーツ)
前節、壮絶な打ち合いの末、JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦で今季2勝目を挙げた慶應義塾大学。連勝がかかる今節は昇格組の日本体育大学と対戦した。試合は7分、加瀬澤力のCKに宮地元貴が合わせ、早々に先制する。しかしその後、サイド、中央をうまく使う日体大の攻撃に対応できず、22分に失点。同点で折り返した後半は両チーム勝ち越しを狙い、一進一退の攻防を見せる。追加点を奪えずに迎えた90分、日体大に決勝点を決められ、そのままタイムアップ。最下位相手に痛恨の逆転負けとなった。
この日の慶大は前節から3人を入れ替え、試合に臨む。鴻巣良真、沼崎和弥、小谷春日らを今季初先発に起用し、主将の宮地をボランチに置くフォーメーションとなった。
開始早々3分、鴻巣のロングフィードのこぼれ球を拾った松木駿之介が持ち前のテクニックで相手DFを交わし、シュート。これは枠の上へと外れるが、積極的な姿勢で序盤から主導権を握る。試合が動いたのは7分。加瀬澤のCKに合わせた宮地のゴールで先制点を奪う。幸先の良いスタートを切った慶應大だったが、試合の流れは徐々に相手へ。「ディフェンスラインと中盤の間が空いてしまい」(鴻巣)、パスワークや個人技からサイドを崩し、中でフィニッシュを狙う日体大の攻撃に翻ろうされてしまう。すると22分、右サイドから中へという同じような形でシュートチャンスを与えると、これが決まって失点。すぐに同点に追いつかれてしまった。43分にも右サイドからセンタリングをヘディングで合わせられ、決定機を与える。ここは上田朝都のスーパーセーブで難を逃れる。一方の慶大はボールを奪ってもつなぎのミスが目立ち、良い形を作ることができずに前半を折り返す。
両チーム勝ち越しへ向けた残り45分。負けられない慶應大は早めの交代策で打開を図る。58分には小谷に代えて手塚朋克、65分には加瀬澤に代えて田中健太を投入。するとこれが功を奏す。中盤で粘った宮地から手塚に展開し、センタリングを上げる。相手のブロックに阻まれるものの、慶應大らしい素早いサイド攻撃でリズムを引き寄せていく。67分には、この日何度もインターセプトを繰り返していた鴻巣が高い位置でボールを奪い、手塚へ。切り込んでシュートを打つが相手GK正面。その直後にはまたもや手塚のセンタリングに松木がヘディングで合わせるが、惜しくもクロスバーに阻まれた。85分、山本哲平に代えて初出場となる片岡立綺を投入し、さらなる活性化を図る。日体大も今季初勝利に向け、猛攻を仕掛けるが守護神、上田を中心にゴールを割らせない。ところが90分、ゴールへの姿勢で上回った日体大にこぼれ玉を豪快に決められ、逆転を許す。90+2分、ラストプレーとなるFKのチャンス。ヘディングでつないで、最後はルーキー沼崎が合わせるも、相手GKのファインプレーで得点とはならず。無情にも試合終了のホイッスルが鳴り、優勝を目指す上で痛い敗戦となった。
これで今季の黒星は4つ目。なかなか不調から抜け出すことが出来ず、「自分たちのサッカーが見えない」(松木)のが現状だ。昨季からは想像もできない厳しいシーズンが続く中、まずは目の前の1戦1戦で勝利を積み重ねていくことが重要となる。次節の相手は順天堂大学。自分たちよりも上位の相手だけに、もう一度謙虚さを思い出し、戦えるはずだ。再びチーム全員で一丸となり、「戦う姿勢」(須田芳正監督)を見せること。それが復活への鍵だ。
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